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「ひとり寿司」をブログに連載します!
ひとり寿司
寿司シリーズの第一作
キャミー・タング
西島美幸 訳
スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。
ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。
そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。
エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。
レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——
過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。
31
レックスは、請求書の海の中で溺れ死にそうだった。
正確には、医療費。医療休暇中、少しは給料をもらっていたが、MRIの請求額を見たら、泣きたくなった。あと一週間で仕事に復帰する——給料が出たら、多分払えるだろう。
携帯が鳴った。「ハロー?」
「チェスターだ」
「ああ、どうしたの?」
「お前、医療休暇中なんだろ。だから言っとこうと思って——今日SPZが給与カットを発表したんだ」
「ええっ?」
「レイオフ(一時的解雇)する代わりに、全員の給料を一〇パーセント減らして、四半期の業績不振を埋め合わせるらしい」
クビにならなかったのだから、喜ぶべきだろう。だけど、一〇パーセント? 「チェスター、手術の請求書があるんだけど」
「俺に文句を言うなよ。こっちだって家のローンがある」
レックスはため息をついた。「教えてくれて、ありがとね」
「もちろん」電話を切った。
すぐにまた電話が鳴った。「ハロー?」
「やあ、レックス。アイクだ。今晩、暇? アイスクリーム持ってくから一緒に食べない?」
(おおっ)積極的とはこういうことか。なれなれしく触わる性癖はさておき、チャーミングで、見栄えがし、会話も上手だ。「もちろんよ」道順を教えた。
アイクは、パイントサイズのベン&ジェリーズを四種類持って、やってきた。
「どんなのが好みか分からなかったから、色々持ってきたよ」
「嬉しいわ。私の兄と父だったら、私に聞かないで自分たちが好きなものを買ってくるから」彼を中に入れて、ドアを閉めた。
アイクは、簡易キッチンまで小股で歩いた。彼女の目の奥をじっと見た。「そうだよ、僕は君のお兄さんじゃないからね」
ダークブルーの目。いかつい顔。実物のマイケル・ヴァルタン。(嫌いなところは、見当たらない)
彼女はチャンキーモンキーをつかみ、彼はクッキードウを取った。残りは小さい冷凍庫に押し込んだ。
彼らはカウンターにもたれ、話しながら食べた。
アイクは、時々寄せ集めのバスケットボールゲームに出たり、友達とのフットボール、教会でのソフトボールなど、週末戦士的なスポーツが好きなようだった。ジムに行くことでシェイプアップしていると言う。「日曜日に何も話せなかった気がしたから、もっと君のことを知りたいと思ってさ」
リンジーの猫のように狡猾な顔が心に浮かんだが、レックスが心の中で怒鳴ると、蒸発してしまった。
アイクはクラッシック音楽やジャズが好きだったが、友達と一緒にいる時は、相手も好きじゃないと聴かないらしい。好きなレストランはなし——周りの人が好きなものなら、何でも好き。車に乗って遠くへ行くのも好きだと言う。「それから、友達と一緒にいるのも好きだよ」
レックスはスプーンをなめた。「ありがとう、アイク。このアイス、最高ね」請求書の心配をするより、ずっと楽しい。彼のことをよく知るために過ごす時間は、何て素晴らしいんだろう。本当に気楽で、地に足がついた人だ。
アイクが彼女の後ろに手を回して、スプーンをシンクに投げようとすると、真正面に顔が来た。
彼は、信じられないほど男性だった。青い目がとても近くにあるように思えた。スパイシーなコロンをつけていた——強すぎないが、とてもセクシーな。彼の眼差しが彼女の唇に降りてきた。
ロマンス小説をたくさん読んだので、分かっていた。そろそろ脈が早くなり、呼吸が少し切れてくるだろう。少し緊張を感じた——こういうものだっただろうか?
彼は彼女にキスしようとし、彼女はそれを受け入れる心構えができていた。ファーストキス。いや、ベンをだますためにエイデンが軽くしたのを入れたら、二回目だ——
(エイデンのことを考えちゃダメ。アイクにキスされようとしてるのよ)
彼は、ゆっくり時間をかけた。とても長い間、彼女の唇を見つめていたので、自分の方から動いて唇を植えつけようかとも思った。しかし、人生のほとんどの時間を積極的に生きてきたはずなのに、何故だろうか。恥ずかしくて、怖い気持ちになった。
(違う、怖がってるんじゃない。待ち望んでるのよ。違うわ)
「口にアイスクリームがついてるよ」アイクの低くハスキーな声を聞いて、寒気がした——いや、興奮だ。興奮が背筋を伝わってくるのを感じた。彼の指が近づいてきて、彼女の口のはしにさわった。
あごがビクッとして、彼の指関節にぶつかった。
「ごめんなさい」
彼は胸の中で含み笑いをした。彼女の緊張が、逆に彼を勇気づけてしまったようだ。
頭が下がってきた。
彼の唇が触れた瞬間、心臓が激しく痛んだ。アリが皮膚全体に這い、鎖骨と首に噛みついた。肩を丸め、息を切らし、体をねじって離れた。
一瞬触れただけなのに、彼女はパニックした。彼は一体、彼女のことをどう思っただろう。彼の目の中に優しさが見えて、泣きたくなった。
「ごめん。早とちりしたみたいだね」
「違うの、私の方こそごめんなさい」彼に理解してもらおうとする方が無理だった。「あなたは——」ハッとした。男は「いい人」と呼ばれるのを嫌がるって、リチャードが言ってなかったっけ? 「あなたのことをもっと知りたいわ」
「僕もだよ」彼女の頬に軽くキスした。ビクッとしてしまうのに彼が気づかないよう、彼女は同時に頭を動かした。これを止めることができなければ、男はみんな逃げていってしまうだろう。
「じゃあ、またジムでね」
「うん」
「ああ、大丈夫だよ。自分で行けるから」彼は出ていった。
閉まったドアを見つめた。なんてバカなんだろう! 自分は一体、どこが悪いのか? 完璧だったはずなのに! 完璧! どうして彼とキスできなかったのだろうか?
(エイデンとキスしたいんだわ——)
(ダメ、ダメ、ダメ!)スプーンをシンクに投げた。
彼女はエイデンとキスしたいのだった……
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