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「ひとり寿司」をブログに連載します!
ひとり寿司
寿司シリーズの第一作
キャミー・タング
西島美幸 訳
スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。
ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。
そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。
エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。
レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——
過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。
30
エイデンは、ここまで退屈したことがない。聖書朗読は永遠に続いた。「詩篇」の章全体を読む必要があるのだろうか?
ワーシップソングもそうだ。繰り返しが多く、テンポは遅い。
そこで、レックスを見た。その顔には、彼が見たことがないような静けさが見えた。平安と安心が。
不快なことに気づいた。彼が音楽を嘲笑っている一方、彼女はそれによって心の荷を降ろしているように見えたのだ。最後に彼が心の荷を降ろしたのはいつだっただろうか? いや、誰に対しても、荷を降ろしたことは一度もない。そのような解放や安堵のようなものを感じたことは、一度もなかった。
喉が渇いた。
エイデンは礼拝堂を出た——ほとんどの人は、彼が出たことに気づきもしない。冷水器は、男性用トイレの隣にあった。
一口飲んだ。そしてもう一度。中に戻るつもりはない。本当に。また飲んだ。胃が水の過剰摂取に抵抗したが、それでもまたすすった。
音楽が終わり、牧師が説教を始めた。礼拝堂に戻った。
つまらない、つまらない、つまらない。
礼拝が終わった時、間違えた。最初に出るべきだった。レックスと彼女の同伴者が通路を通って礼拝堂の後ろに歩いていくのを見て、椅子にしゃがみこんだ。少し待って立ち上がると、彼らはソーシャルホールの入り口で集まっているではないか——ロビーまで見通せる。教会からおどり出ようとすれば、レックスに見られてしまうだろう。
ためらった。出口は他にないだろうか?
突然、レックスが別の女の子とロビーに現れた。エイデンは靴ひもを直すふりをしてしゃがみ込んだ。靴ひもなどないのに。
「ハーイ、アイク——あっ!」色っぽい声が頭の上で聞こえた。「ごめんなさい。アイクだと思ったわ」
エイデンは背筋を正した。二一世紀のロリータが、気のあるそぶりをして金髪の頭を傾け、彼の個人空間に侵入してきた。レックスはいなくなっていた。「サロメです」
「エイデンです」
「お会いできて嬉しいわ」まつ毛をゆらゆらさせている。
「ああ……僕も」
「それで……お一人?」
「あの……ええ」何故、お腹を空かせた雌ライオンにつけ回されるガゼルになった気がするのだろう。
「そうなの? よかった、独身者グループを紹介するわ」
「だめだ! いや……結構です」
「みんないい人よ。今日は新しい女の子もいるみたいだし」その少し冷たい笑顔から、新しい女の子がいることはあまり嬉しくないようだった。
「ごめん、ランチの約束をしてるんだ」
「あら、誰と?」周りを見回した。
(なんてこった)「右側を指さした」「そこ」
サロメは、そっちの方を見た。
エイデンは左に逃げた。
廊下を見つけるなり、そこに突進すると、閉まったドアがいくつか見えた。その一つを開け、中に滑り込んだ。
暗闇に囲まれた。閉まったドアから聞き耳を立てた。軽い足音が近づいてくるのが聞こえ、遠ざかっていった。
「当ててみようか。きっとサロメだ」突然、優しい男性の声がして、エイデンは心臓にアドレナリンを打たれた気がした。
本に囲まれた暗い事務所で、牧師がデスクに座っていた。
「すみません、ドアが開いて、暗かったので——」
牧師は笑い、無造作に手を振った。「ここに座ってただけだ。君、何かにとりつかれたみたいな顔してるよ。きっとサロメだね。若い男性は必ずそうなるから」壁の方を身振りで示した。「電気をつけてくれるかな」
エイデンは、言われるままにした。事務所は明るくなった。彼は本に囲まれていた。古いものから新しいものまで、棚にぎっしり入っていた。しかし机の向こう側の壁には、絵画がかけられていた。牧師が見上げると、すぐに見える位置にある。
それは、天井から床までの大きさがあった。十字架につけられたキリスト——血がしたたり、気味が悪く、痛々しい。体の曲がり方から明らかなように、その苦悩は顔に刻み込まれている。裸で十字架に釘打たれ、足は鋭い角度で引っ張られて、磔にされている。映画「パッション」よりひどい。
「これが本当の十字架上でのキリストの死なんだよ」牧師は椅子の上で少しずれたので、革がきしんだ。「映画のように綺麗にされたバージョンじゃない」
エイデンは目を離すことができなかった。手、足、胸は、震えに襲われた。その絵を見ていると、苦しくなった。遠吠えを上げて泣きながら、膝をついて倒れたくなった。ショックを受け、同時に全てを剥ぎ取られた気がした。
どれほど長い間そこに立って見ていたのか、見当もつかなかった。
牧師は何も言わなかった。やっとデスクの向こうで立ち上がり、せまい空間を通ってドアの方へ移動した。
「いつまでここにいてもらってもいいよ」彼は事務所を出て、ドアを閉めた。
エイデンは、動きたくても動くことができなかった。
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