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「ひとり寿司」をブログに連載します!
ひとり寿司
寿司シリーズの第一作
キャミー・タング
西島美幸 訳
スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。
ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。
そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。
エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。
レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——
過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。
急がなくては。エイデンはアイスバッグを彼女の膝に巻いて、電気刺激を始めた。
そのまま出ていってもよかったのだが、彼女をそこに残したままにしたくなかった。「あのさ、僕は、クリスチャンと議論したり、クリスチャンの偽善を暴きたがってる奴らとは違う。だけど、僕が何を信じて、何を信じないかについて君や誰かに聞かれたら、嘘はつかないよ」
彼女はひどく動揺しているようには見えなかった——もっと身構えるかと思ったのに。いったい彼は、彼女からどんな反応を期待していたのだろう? 冷笑? 彼女がそんな風に反応するはずがないことは分かっていたはずだ。
それどころか、彼女は肩をすくめた。「それがあなたなんだから、いいのよ」
彼女の失望が見て取れた時、何故か、かみそりの刃で切られたように傷ついた。
彼は時計を見た。冷やし終わり、時間はあと三分残っている。
「あっちで待ってるわ」レックスは待合室に向かった。
エイデンが片付けていると、受付嬢が患者エリアに入ってきたので、彼女の方を向いた。「スペンサーがきたら、すぐに帰って来るって——」
「ヘーイ」待合室から、聞き慣れた、嬉しそうな声が流れてきた。
(ヤバイ)
「僕、スペンサー」
「こんにちは。あなたって、いつもこんなに人なつこかった?」
レックスの少し辛らつな返事を聞いて、角を曲がろうとしたエイデンは立ち止まった。スペンサーはレックスの隣でうろうろし、レックスは受付のカウンターに何気なくもたれていた。
「スペンサー、こちらは僕の患者のレックス」
「どうも」両手を出すスペンサーの握手は悪名高い。レックスの肩がピンと硬くなり、笑顔が固まったことには、気づいていないようだ。彼女は手を引っ込めた。
エイデンは、ある思いに駆られた。ただ確かめてみたかっただけなのかもしれない……何を? 深く考えていなかった。後ろからレックスに近づき、スペンサーが見ていないことを確認して、彼女の背中を軽くさわってみた。
彼女は反応しなかった。
胸の中に何かが芽生えた。フリースローがネットにシュッと入ったような気分になった。
スペンサーがチャーミングに微笑んだ。「エイデンにきつくされてない? 僕が説教しとこうか?」
レックスは半分閉じた目で、冷静な表情を向けた。「十分きつくされてるわ」
「君みたいなかわいい子にきつくするなんて、どう言うことだ? ハーシーズが倒産するぞ」
彼女は笑い出した。「そうよ、そんなことしないでね」
スペンサーが、その温かい本物の笑顔で楽々とやってのけたことを、エイデンは認めざるを得なかった。しかし、これ以上、彼女がスペンサーの人を惹きつける魅力を味わうのを許すわけにはいかない。ましてや彼がシングル(最近ガールフレンドと別れたばかりだ)で、しかもクリスチャンだということを知られてはならない。今のエイデンにとって、スペンサーは、エデンの園にいる蛇のようだった。
ピーナッツバターとジェリーのサンドイッチのように、レックスにくっついていたかったが、エイデンは彼女から離れた。患者とセラピストとしての距離を置くことによって、スペンサーの目をくらますことができるだろう。「悪い、スペンサー、レックスを家に送らないといけないんだ。十五分で戻るから」ドアに向かった。
装具をつけているために、まだ足を引きずっているレックスが追いつけるように、彼は外で待っていた。「彼、トリッシュの製薬会社で働いてるの」
エイデンは横目でレックスを見た。「そうなの?」
「話したことはなかったんだけど、あなたが彼とランチをしに行った時、私はトリッシュと食べに行ってたのよ」
やっと思い出した。「あいつ、親友なんだ」
「あなたたちって、油と酢みたいね」
「どっちが油で、どっちが酢?」
彼女はクスクス笑った。クスクス笑うなんて、彼は滅多に見たことがなかった。「もちろん酢はあなた」
「じゃあ、スペンサーが油?」
「うん、彼にはぴったりだわ」
「どういう意味?」
「誤解しないでね。いい人だと思うけど、調子がいいところがある。兄のリチャードみたいに」
エイデンは、驚きを隠したと思ったのだが、エレベータを待ちながら、彼女はふくれっ面をした。「何かおかしい?」
肩をすくめた。「大体さ、女性はあいつのことを『チャーミング』とか『スイート』とか『キュート』っていう言葉で表現するけどね」
レックスはバカ笑いした。「やめてよ。私、ああいう男の子たちと育ったの。いとこの男の子たちの中では、リチャードが最悪ね」エレベータに入った。「笑顔がかわいい男の子っていうだけよ。女の子がうちに帰った後でどんなことを考えるのか、ずーっと聞かされてきたの」
彼女の表情豊かな顔が、彼に微笑んでいる。スペンサーに対して見せた、少しひねくれた仮面とは、何と対照的なのだろう。彼女がエイデンを見る目は、あいつらを見る目と違っていた。
もしかしたら、彼女は違うのかもしれない。
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