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「ひとり寿司」をブログに連載します!
ひとり寿司
寿司シリーズの第一作
キャミー・タング
西島美幸 訳
スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。
ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。
そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。
エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。
レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——
過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。
26
いや、彼のことは、少しも怖いと思わなかった。だって、あと数分後に、彼女は彼を殺すつもりだから。
「エイデン! 今の、本当に痛い!」レックスは、上半身を起こしてPT治療台を押し、エイデンの指によるマッサージ——いや、太腿の外側の拷問から逃げようとした。
エイデンの穏やかな声は、レックスを叫びたい気持ちにさせた。「腸脛靱帯はヒップから太腿、そして膝関節まで走ってる。これが硬くなると、怪我が起こるんだ」彼はもみ続けたが、戦闘靴で足をゆっくりと蹴られているように感じる。
レックスは治療台の端をつかんだ。「痛いのはもう十分じゃない? 手術して、水膨れもできた。鎮痛剤も使えなかった。覚えてる? ねえ!」
隣の治療台で別の患者を診ているもう一人のセラピストは、同情しながらも面白そうに見ていた。そっちの患者は、レックスの叫び声に反応して、青くなっていた。
レックスは気にしなかった。(罵声を浴びせてやろうか)
やっとエイデンは手を止めた。「今日はこれぐらいでいいと思う」
「思う?」
「家でもやってみて。楽になってくるから」
「信じられないわ」患部をさすると、熱く敏感になっている気がした。それに、エイデンにさわられるのに慣れることが、理学療法の最も難しい部分だろうと思っていた。
「じゃあ、ジムでちょっとエクササイズしようか」
レックスは治療台から降りた。「エクササイズだったら、できるわ」
エイデンは患者エリアから公共のジムエリアに案内してくれた。「ちょっと筋萎縮があると思ってて」
「切ってから四週間なのに? 冗談じゃないわ。最高の体調だったのよ」
五分後、マラソンを走ったように息切れした。足は鉛のように重い。
「頑張れ」エイデンはレックスの前に立った。「足をもっと高く上げて」助手に頼む代わりに、彼は自分で彼女のエクササイズを指導することに決めた。レックスは、助手の方がよかったなと思った。そっちの方が親切そうに見えたから。
一方を足首に取り付け、他方に滑車がついたコードを引っ張ると、真っ直ぐ伸ばした足への抵抗が上がる。大腿四頭筋が燃えている。お尻の外側も。いい方の足も燃えている。
「もう一回」エイデンはレックスを見ていた。「もっと高く。いいよ」
足を下ろすのが少し早すぎた。コードがビュッと元に戻った
「じゃあ今度は横だ」
「横?」
他のエクササイズは終わった。心臓は胸にたたきつけられ、肺が痛い。最後のエクササイズだと思っていたアブダクター(筋トレマシーン)にもたれかかった。
(ようよう)大柄な男がジムエリアに入ってきた——実物のマイケル・ヴァルタンのようだ。ジムの会員らしい。
エイデンは膝をもっと近くで見ようとひざまずいた。楽しんでいるように見える。「じゃあ、冷やそうか」
「待って、ちょっとストレッチさせて」もうちょっと、目の保養をさせてもらいたかった。そのイケメンは、フリーウエイトの近くで止まった。
足を少し開いて、爪先に手を伸ばした。
(ビリッ)
びっくりし過ぎてバランスを崩し、前のめりになった。倒れないように、エイデンが、ウエストの辺りを押さえた。さわられていることに対しては何の反応もしなかったが——恥ずかしすぎて、お腹に穴があくほど蹴りを入れられた気がした。
ウォームアップパンツが、お尻の真ん中で裂けたのだった。
真っ直ぐに立った——エイデンの助けを借りて——裂けた部分に手を伸ばし、さわってみた。レックスの顔は、一八〇℃のオーブンで一時間焼かれたように熱かった。
エイデンは笑わなかった——落ち着いた顔は、一ミリも楽しそうには見えない。「ウォームアップパンツだけだよ。下に履いてるショートパンツは破れてない」
「そんなことじゃないの」また、かすれた声になってきた。「太ったんだわ!」
エイデンは、体型のことを話している女性に対し、男性が用いる非常に注意深い表情になってきた。「そんな風には見えないよ」
「軽く言わないで。運動不足なのよ。運動不足になったことなんて、今まで一度もなかったのに。生まれた時から」
「なんで知ってるの?」
「私が太った赤ちゃんだった、って言うの?」
エイデンの目が大きくなった。「違う、全然違うよ。それで?」
「まず、ACLを切ったとき、自分の体に裏切られたの。今は新陳代謝。こうやって新陳代謝に失望させられるのは初めてよ」目の中に溢れてきた涙を拭いた。「それに、最近泣いてばかりいる。泣いたことなんてなかったのに。私、どうしちゃったの?」
「手術すると、そういうこともあるんだよ」
「私にはない。そんなことは、私には起こらないの」鼻をすすった。
「ほら。そのウォームアップパンツ、脱げば」
レックスはショーツの上に履いていたウォームアップパンツをおろし、エイデンが靴を脱がせてくれている間、レッグ・プレスマシーンにつかまっていた。
「じゃあ、冷やそうか」
レックスは松葉杖をつかみ、患者のセラピーエリアまで足を引きずった。あのキュートな人をチラッと見ることもしなかった。彼女のことなど、気づいてもいなかっただろう。よかった。
水曜日にはセラピーがある。食事も改善し始める。エイデンは、家ですることができるエクササイズを教えてくれた。一日に五回はやる。
そして何より、このおバカな腸脛靱帯が、おばあちゃんのガードルより緩くなるまでマッサージをするんだ。
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