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「ひとり寿司」をブログに連載します!
ひとり寿司
寿司シリーズの第一作
キャミー・タング
西島美幸 訳
スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。
ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。
そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。
エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。
レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——
過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。
ビーナスはベンの視界をさえぎった。「ここは大丈夫だから、もう帰っていいわよ」
「でも——」
ビーナスは、また彼の目の前でドアを閉めた。
「何——」
ビーナスはレックスの言葉をさえぎり、ドアの隣の窓から外をのぞいた。「よかったわ、レックス、エイデンが来てくれて。あなたの巻き爪を全部切ってくれるわよ」ビーナスの声が小さい部屋に響き渡った。
どうやって礼儀正しく答えようかと決めかねているように、エイデンの表情は少し硬くなった。多分、(そうなの?)とか(それはおもしろいね)とでも言うつもりだろうか。
ビーナスは目を大きく開けて意味ありげに、閉じられたドアに指を突き立てた。口が無言のまま動いていたが、レックスはそれを正確に解読することができない。だが、何となく意味は分かった。(ああ)レックスは気を取り直した。「そうなのよ、エイデン、ありがとうね。この血豆をつぶしてもらいたいの」
丸い目でレックスを見たエイデンの無表情な仮面にヒビが入った。
ビーナスは、レックスの段ボール箱の一つを引っかき回し、小さいテニスラケットを取り出した——(ああ、ちょうどよかった。父親が買ってくれた殺虫ラケットをこうして使っているのを知れば、父も喜ぶだろう)
ビーナスは充電ボタンを押した。「それから、血が出てるお尻のホクロも、エイデンが突っついてくれるわ」閉じたドアの後ろで位置についた。「だけど、頭から生えてる三つめの手はプロに手術してもらった方がいいわよ」
ビーナスはドアノブを回し、薄いドアをさっと開けた。充電が終わった殺虫ラケットは、玄関前の階段に座り込んでいるベンの頭に降りた。(コン! シュッ! ポン!)焦げた髪の毛のにおいはレックスの鼻まで届いた。
「ア、ア、イイーッ!」ベンは手で頭を抱えて逃げていった。
ビーナスはカチッとドアを閉め、誇らしげにラケットを振りかざした。
レックスは手を叩いた。「あなたって、ほんと意地悪ね」
ビーナスの微笑みを見て、レックスはキャットウーマンを思い出した。「まあね」
「怪我をさせた訳じゃないから、いいのよ」
ビーナスは繊細な眉毛を上げた。「そう言うってことは、男性とその髪の毛の問題について、あまり知らないようね」
「は?」
「あなたねえ、あんな整った頭にしようと思ったら、三週間に一回はラナズかバーティゴに行ってるはずよ。ちょっとみじめな苦痛を感じさせてやっただけ」
ドアベルが鳴った。ビーナスは殺虫ラケットを充電してから、ドアを開けた。
「ハーイ、みんな」ミミはさっそうと部屋に入り、エイデンを見て、動きが止まった。∗イゼベルが恥ずかしくなるような、ゆっくりとした笑顔を向けた。「あらまあ、いらしたの? こんにちは」
レックスはうなり声をあげそうになる自分を抑えた。そして、なぜ苛立つ必要があるのだろうか、と自問した。エイデンにさわられて、まだ動揺しているのかもしれない。おしゃべりをするミミの手がエイデンをさわりまくっているのが、なぜ気になるのだろう?
「ねえエイデン、どこの理学療法クリニックにいるの?」
「クリニックとフィットネスジムが一つになってるんだけど……」
レックスは、冷たくなってしまったスープの入ったボールを見つめた。お腹はいっぱいだ。見ているだけで消化システムが変になりそう——ボールを下においた。
ビーナスは大きく咳払いをした。「ミミ」
ミミは、文章の途中で急に吸血鬼モードを抜け出した。「ああそうだった。全部持ってきたわ」そして、ウォームアップパンツをはいている足をチラッと見た。「あのさ……そのパンツ、脱いでくれる」
「僕は行った方がいいってことか」エイデンは、やすやすとミミからレックスの方に向きを変えた。「君が元気か見に来ただけだから」
「ありがとうね。それに……ベンのことも」
「どういたしまして」出ていった。
ミミは、長く低い息を吐いた。「なんてセクシーなの。オーランド・ブルームよりかっこいいじゃない」
「私の周りにいる男をみんな盗むって、どういうこと?」
ミミはレックスにウインクした。「それって、キンムンのこと?」
「ジョージ。クラスタシアンで。あの時は、自分のデート相手もいたわよね」
「あーあ」ミミは笑いを抑えた。
「あの時はごめんね。だけど、彼が誘ってきたから、会わないといけなくて。ショアラインまでドライブして、その後、彼の車を盗んでそこに置き去りにしたの。私の友達にひどいことをしたから、復讐よ」
レックスがビーナスを見ると、彼女も同じように口を大きく開けていた。「嘘でしょ」
「分かった? 正当な理由があったのよ。あなた、彼と一緒にいても楽しくなさそうだったし。レストランの向こう側から見てても分かったわ」
レックスは咳払いをした。それには反論することができない。
ミミは、レックスのベッドの脇にバッグを下ろした。「パンツを脱いで、包帯を剥がしてくれる? ちょっと見せて」
レックスは言われた通りにした。
水膨れを見たミミは、真剣に心を痛めているように見えた。「痛そう。分かった、じゃあ、まず足を上げ下げしてくれる? そう、そんな感じ。リンパ系から腫れと分泌物を抜かないと」
カバンの中から色々な瓶を引っ張り出し始めた。
「これは腫れと水膨れに効くの。ちょっとは痕が残るかもしれないけど、ほとんどよくなると思うわ」レックスのベッドにドスンと座った。
その真剣な目——いつもレックスが見るミミの目とは大違いだ。涙が出てきた。「どうしてこんなこと、してくれるの?」
ミミは足をチラッと見てから、レックスに目を戻して肩をすくめた。「あなたって、いつも自分が得意なことが分かってる——フィットネスとバレーボール。ビーナスから電話があった時……」手に持っているボトルをひねった。「これはね、私が得意なことなの。それに……」いつものミミらしい目でレックスを見た。「これで私に借りができたわよ」
それを理解するのには、時間がかかった——この若いいとこに対する見方は固定観念になっていて、揺るがすのは難しいが、それが少し揺るいだ気がした——エイデンに見せた魅惑的な行動にもかかわらず——ミミの言葉から、何か正直なものが見えた。
「ありがとうね、ミミ」
「じゃあ、始めよう」
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