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「ひとり寿司」をブログに連載します!
ひとり寿司
寿司シリーズの第一作
キャミー・タング
西島美幸 訳
スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。
ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。
そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。
エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。
レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——
過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。
25
「ミミに聞いてみよう」
「ええっ?」ベッドに横になりながら、レックスは痛む背中の後ろに置いてある枕を動かす手を止めた。「冗談だよね?」
ビーナスは携帯を出した。「あの子、何年か前に車の事故に遭った時の傷痕、全然ないよね。火傷がひどかったじゃない、あの時。あなたの水膨れをどうしたらいいか、聞いてみよう」
あのいとことは、クラスタシアン・レストランでゲス野郎のジョージを盗まれて以来、会ってなかった。
「だけど、ミミよ。あなたも好きじゃないと思ったけど」
「他にいい考え、ある?」
レックスはまたCPMマシーンを始動させ、徐々にひいてきた水膨れから波のように打ち寄せる痛みのために、顔をしかめた。「ないかもね」
ビーナスは電話をかけた。初めは少しとげとげしい話し方だったが、うまくいった。「ミミ、これから来るって」
「どうせ、私がひどい状態なのを見て、ほくそ笑むために来るんでしょ。期待しないことにする」
「スープを温めるわ。あなた、三日も食べてないでしょ」
レックスは枕にもたれた。CPMマシーンは左足ではなく、右足だけを動かしている——だから、仕事のために悪くなった脊椎の下の方がさらにひどくなった。
携帯が鳴った。「リチャード、何の用?」
「お気に入りのお兄さんに向かって、その言い方はないだろ」
「切るから——」
「待った、待った。行ってもいいか?」
警笛が鳴った。「何で? 病人のうちなんて来たことないでしょ」
「実は、友達と——」
「友達って? リチャード、私ね、手術したのよ」体を伸ばして、背中の痛みを和らげようとした。
「大丈夫か? 出血は?」
「三日間ゲロってる」
「ああ」間が空いた。「だけど、やっぱり連れていってもいいか?」
レックスは電話をパチっと閉じた。
ビーナスは、電子レンジのタッチパッドを押した。「最近、よく男を紹介してくるわね」
「そうなの。訳が分からない。多分おばあちゃんの差し金かも」
「だけど、おばあちゃんは彼の弱みを握ってないでしょ。どうしておばあちゃんの言うことを聞くのかなあ?」
「確かに」
生ぬるいチキンヌードルスープを半分食べ終わった頃に、ドアベルが鳴った。「ミミ、もう来たのかしら」もう一口、すすった。
ビーナスがドアを開けた。
背の低いアジア系の男の子が立っていた。ビーナスを見ると、礼儀正しそうな微笑みを輝かせた。ガラスのような目をしている。「やあ、ベイビー——」
「あなた、何の用?」ビーナスは手を腰に当てた。
「冷たいなあ。せめて『何かご用ですか』って言った方が——」
「もっとクリエイティブなことを考えたらどう? あなた、誰?」
「ベン・シュー」
ビーナスが肩越しにレックスをチラッと見ると、頭を横に振って肩をすくめていた。ベンは、ビーナスから目を離さない。
「悪いけど、知らないわ」ビーナスはドアを閉め始めた。
「母がここに行け、って言うから」
ビーナスは、ただ彼をにらんでいる。レックスはその顔を見てみたいと思った。
ベンの目は、またボーッとしてきた。「なんてきれいな目なんだろう——ダメ、ダメ、閉めないで——!」
ドアの向こう側から聞こえてくる彼の声は、消されて小さい。「手術したレックス・坂井さんの手伝いに来たんだけど」
ビーナスはドアをバンと開けた。「何て言った?」
「道を下りて行ったところのアパートに住んでるんだ。レックス、僕の母が君のおばあさんから聞いたんだよ。何か手伝いが要るかもしれないって」
(ええ?)「結構よ」というより、まさか。レックスは、彼の高そうな服と、レックスに話しかけている時もビーナスから目を離さないことに気がついた。
すると、また別の姿が戸口に見えた。「レックスいる?」
「ハーイ、エイデン」
ベンとは対照的に、エイデンの目はビーナスをかすめもせずに、中をのぞき込んでレックスに笑いかけた。「気分はどう?」
「エイデン、入って」ビーナスは彼の腕をつかみ、中に引っ張った。「だって、あなたたち、付き合い始めてしばらく経つもんね」
レックスとエイデンがビーナスをじっと見ると、ビーナスは、まだ戸口に立っているベンにさっと身振りで合図しながら、意味ありげにチラッとエイデンを見た。
「彼氏なの?」やっとベンは、ビーナスの顔から目を離した。
「レックスのおばあさんは、彼氏がいるなんて全然、言ってなかったけど」目が細くなった。
レックスは、全てのエネルギーを注ぎ込んで、絶望的な表情をエイデンに向けた。
エイデンはベンの方を向いた。「ああ……そうだよ。付き合ってる」アパートの中に入り、段ボール箱の間を通り抜けて、持っていた小さい花束をレックスに渡した。ベンの陰険な表情が彼を追った。
レックスは笑い、歯の隙間からささやいた。「キスして」
彼は仕方なく彼女の肩に手を置いて、唇に軽くキスした。レックスは、ギクッとしないように集中した。意外と悪くなかった。彼は、石けん、モミ、ジャコウのにおいがした。
エイデンはすぐにレックスの肩から手を離したが、その低く深い声が彼女の耳に聞こえた。「君、本当にさわられるのがいやなんだね」
その言葉を聞いてリラックスした。彼がそれを分かっていて、説明する必要がないからだろうか。「男性の場合だけね」彼女は息を呑んだ。「気にしないで」
その表情を見れば、エイデンは理解していること、そして、それ以上何も言う必要がないことが分かった。
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