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「ひとり寿司」をブログに連載します!
ひとり寿司
寿司シリーズの第一作
キャミー・タング
西島美幸 訳
スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。
ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。
そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。
エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。
レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——
過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。
レックスは目を開けた。わあ、違う部屋で寝ている。八まで数えたときは、誓ってはっきりと目を開けていた。今はぼんやりしていて、足を動かすことができない。
どうしよう! 体が麻痺してる!
吐いた後だったら、パニックになっていただろう。
「気分はどうですか?」元気がよすぎる笑顔の看護師がベッドに近づき、点滴をさわった。そして、レックスのベッドを座位に変え始めた。
「吐きそうです」口の中で雑草が生えてきたようなにおいがする。
「もうちょっとですね」看護師は点滴を引っ張り、何かを注入した。
一〇分後、口の中が急に乾き始めた。何かしゃべろうとしたが、舌が動かない。「お……み……」
「ジュースですよ」看護師は彼女の口にストローを入れた。
「んん……」
「全部飲んでくださいね」
レックスは頭を振った。部屋が回っている。
「起きる時間ですよ」看護師は、松葉杖を床に弾ませるように渡した。(こんなに急がせるなんて、どこかで火事だろうか?)足が、骨の奥深くまで激しく痛み始めた。
「椅子が要りますね」
「え——?」上半身を起こすことすら、ままならないのに。
「麻酔がまだ残ってますが、動くとだんだん取れてきます。そうしないと、一日中、ここで寝ることになりますよ」看護師はクスクス笑った。「ここはホテルじゃないですからね」
部屋が斜めに見え、松葉杖でよろめいた。看護師の燃えるようなエネルギーと言ったら! 数メートルの距離だが、キャスターのついたスタンドにひきずられる点滴のバッグと一緒に、彼女をリクライニングチェアまで運んだのだ。変わったイグルーのクーラーが太い管で取り付けられている足は、凍るほど冷たい。看護師は、それも一緒にリクライニングチェアに動かした。
レックスはそこに倒れ込んだが、ただ、もう少し眠りたかった。
「もうすぐ家に戻れますよ」
(家? 意味のある文章もしゃべれないのに。ビーナスはどこ? 超楽観主義のステロイド依存看護師、一体誰なの? 一切れの羊肉より大きく、凍ってガチガチの足で、どうやって車まで歩けるの?)
「ヘーイ、レックス」ビーナスが現れた。
リトル・ミス・サンシャインは、レース・カーのように車椅子を操作し、レックスの後ろでウロウロしている。そして、イグルーのクーラーに取り付けられた管を外した。「帰る時間ですよ」
レックスはゆっくりと車椅子へと動いた。座った瞬間、ミス・アーンハルトは通路を疾走し、脇のドアの外に出た。車椅子をきしらせてスロープを降り、ビーナスの車の方へ曲がろうとして縁石をかすった。
強くぶつけたわけではなかったが、レックスは、何かが横から骨にぶつかったような不快感を覚えた。「痛っ!」膝をつかんだが、何重にも巻かれた包帯の厚みを感じただけだった。
このナスカー看護師は、ビーナスの車の隣でキキッ、と止まった。レックスは息を吸った。
「しっかり。動けば、ぼんやりした感覚も飛んでいきますよ」看護師は車椅子を揺らした。
この女は本気なのか? 立ち上がろうとすると、暗い空が回転木馬のように回転し、ふらついた。助手席のドアをつかんだ。
ちょっと痛いが、振り返って座席に座ろうとした。ビーナスの小さい車で足を真っ直ぐにしようと思ったら、もっと角度をつけなくてはいけない。
「背もたれを倒して」
「もう全部倒れてるわ」
足はバケツ型の座席の端に垂れ下がっているが、かかとが床につかず、膝がブラブラ揺れている。看護師は車椅子を押し、大急ぎで行ってしまった。
手術センターから家までの長いドライブのことは、あまり覚えていない。覚えているのは、その小さいスポーツカーが道路の凸凹にぶつかるたびに、痛みが足を走ったことぐらいだ。
「もっと滑らかに運転できない?」
「お赦しください、お妃様」
ビーナスはやっと、コンドミニアムのカーポートにゆっくり入った。車が隣にあるので、レックスはドアを全部開けることができない。斜めになって出ようとしたら、ドアに足元をぶつけてしまった。「ああーっ」
ビーナスが松葉杖を持ってきた。レックスは後ろ向きにカーポートから出たが、それが失敗であることに気がついた。
地面はカーポートから下り坂になっていて、その傾斜の変化に対する心構えができていなかった。彼女は後ろ向きに倒れ始めた。
「ビーナス!」
(ぺチャッ)レックスは後ろに倒れた。衝撃が足に伝わってきた。「ああっ、膝が、膝が」
ビーナスが彼女の脇でかがんだ。「少なくともお尻でよかったわ。クッションがあるから」
「自分はどうなのよ、シャボン玉みたいなお尻のくせに。ああ、尾骨がズキズキする」
「痛いから悪態をつきたくなるのよ」
「あなただって」
ビーナスは彼女の腰に腕を回した。「いい? 一、二、三、よいしょっ、と」
少しお尻が地面から離れたと思ったら、また尻もちをついてしまった。「ちょっと!」
「ごめん」ビーナスはレックスを見回した。「無理、持ち上げられないわ」
「松葉杖ちょうだい」
ビーナスの腕に支えられていたのに、ワサマタユのトライアウトのために上半身のウエイトトレーニングをやってきたのに、レックスには立ち上がるのがやっとの思いだった。
長い夜になりそうだ。
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