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「ひとり寿司」をブログに連載します!
ひとり寿司
寿司シリーズの第一作
キャミー・タング
西島美幸 訳
スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。
ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。
そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。
エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。
レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——
過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。
看護師は、もう一つのリクライニングチェアに座っている年配の女性をのぞいた。
「タイラーさん、もうすぐ手術の時間になりますからね」
カーテンの向こう側にいるその女性の顔は見えなかったが、夫に話しかけるタイラー夫人の震える声が聞こえた。「チャールズ、聞いて」
「うん」
「テレビを消して、私を見て。これがあなたと話せる最後の時になるかもしれないわ」
「怖がらなくていいんだよ、ハニー」
「怖がらなくていい? どうしてそんなことが言えるの?」
「簡単な処置なんだから——」
「二度と目が覚めないかもしれないわ」
レックスは胸が痛くなった。
「チャールズ、いいお葬式にしてくれるって約束して」
「ハニー——」
「そして、あなたのいとこは呼ばないで。あの人、我慢できないの。それから、再婚すると約束して。あなたのお世話をする人が必要よ」タイラー夫人の声はすすり泣きに変わった。
「ハニー、大丈夫だよ」
「会えなくなると寂しいわ、チャールズ」(鼻をすする音)
「僕も寂しいよ——違う、何言ってるんだ。君は大丈夫だよ」
「それから、クチナシの花に水をやるのを忘れないでね」
看護師が飛び込んできた。「タイラーさん、準備ができましたよ」
「ああ! チャールズ、さようなら。私のことを絶対に忘れないでね」
タイラー夫人は、「イエス」と記された悪い方の肩をつかみ、泣きながらレックスの隣を過ぎてドアから出ていき——その後ろを、混乱した夫がついていった。
彼女が出ていった後、レックスとビーナスは大きく目を開けて、お互いを見つめた。ビーナスは唇を噛んだ。「あの……祈ろうか?」
「うん……そうね、お願い」
「愛する神様……レックスのことを感謝します。彼女の外科医の腕がとてもいいことを感謝します。それに看護師が優秀であることも。そして、この手術センターが本当に素晴らしいこともありがとうございます。レックスの気持ちを落ち着かせてください。そして、手術の後、彼女の目を覚ましてください。アーメン」
「ビーナス、『ペーパーバッグの祈り』に書いてある通りには祈れないでしょ」
「だって、祈りは祈りよ」
「そうだけど」
新しい患者が部屋にふらっと入ってきた。今度は大学生ぐらいの赤毛——アスリートのようだ。「こんにちは」レックスとビーナスに笑いかけた。
「あなた、ほんとに手術が必要なの?」レックスは、どこが腫れているのだろうかと、関節のあたりをじろじろ見た。
「そうなんですよ」リクライニングチェアに座り、慣れたように点滴に腕を伸ばして、カーテンの反対側にいるレックスの方をのぞいた。「またACLを切っちゃって。一ヶ月前だから、もう腫れはひいてるんです」
「そうなんだ」
「ええ、ACLの手術はこれで三回目です」
「三回目なの?」
「はい。輪ゴムみたいに切れちゃう。だけどパパが元フットボール選手だから、すごく保険がいいの。今はフットボールチームのコーチなんです」
突然、レックスは度重なる手術のために財布からお金が飛んでいく幻影を見た。「ビーナス、もう一回トイレ行きたい」
「何なのよ、もう」ビーナスは点滴のバッグをつかんだ。
「怖くなると行きたくなるの」
「最高」
レックスはトイレに座った——わあ、今度はよく出る——手術室に戻って座ったと思ったら、ちょうど麻酔科医が来た。
フランク医師はレモンを吸ったような顔をしていた。眼鏡をなおし、その縁ごしにレックスを見つめた。「アレルギーは?」
「ないと思います」
「心臓病の既往症は? ヤダ、ヤダ、ヤダ?」
(ええっ?「ヤダ、ヤダ、ヤダ?」って言った?)「あの……いいえ」
ため息をついて、口を閉じた。「どうやって切ったの?」
「ちょっとしたアクシデントで」
「それはもちろんそうだろうけど、どうやって?」麻酔科医がうなるように言った。
「誰かが私の方に倒れてきたんです」
「ふん」カルテに走り書きをした。
「分かりました、それだけです。ああ、それから言っておきますが、まれに合併症が起こることがあります。一〇〇パーセントうまくいく保証はありません。ヤダ、ヤダ、ヤダ。分かりましたか?」
彼は「ヤダ」というのが好きなようだ。
「そう思います」
「質問は?」
「あの……」
「ありません」ビーナスは険しい目つきで彼を釘付けにした。「ただ、目が覚めなかったら、承知しませんよ」
「はい、はい、はい」麻酔科医は出ていった。
レックスは足が震えてきた。口の中はデスバレー(「死の谷」の意。国立公園。灼熱の荒野)のように乾いている。「ビーナス、またトイレ」
ビーナスはあきれた表情をしたが、点滴のバッグに手を伸ばした。それを見ながら、動きが止まった。「あれっ」
「何?」
「もうすぐ空っぽだ。すごい速さで落ちてる」
レックスは落ちてくる点滴をよく見た。「そういえば、そうね」
ビーナスは看護師に合図し、点滴を指さした。
「ああ! ごめんなさい。抗生剤を入れた後で、速度を落としてなかったわ」バッグを換えて、点滴の速度を落とした。
「抗生剤が全て尿と一緒に流れちゃったってこと、ないですよね?」
「心配しなくて大丈夫ですよ」看護師は忙しそうに行ってしまった。
またトイレに行って戻ってきた後、レックスは何も言わずにビーナスと一緒に座り、テレビでオプラの再放送を見ていた。やっと看護師がのぞきにきた。「もうすぐですからね。あと数分です」
レックスが膝の上で指をいじっていると、ビーナスはその手を押さえた。「それ、やめてくれる。イライラするから」
「あなたが? 私のことを考えてよ」
「何でそんなに自己中?」
「もうすぐ手術なのよ。自己中でもいいじゃない」
「あなたは目を覚ますの。完璧に元気で、いつも通り不機嫌にね。だから、これ以上、私の一日をぶち壊さないで」
「じゃあ、レックスさん、あなたの順番ですよ」看護師が立っていた。
レックスは立ち上がった。膝がガクガクしなかったので驚いた。ビーナスの腕をつかんだ。「お母さんのダイヤモンドのイヤリング、あげるわ。あなたに持ってて欲しいの」
「もう、やめて」
「それから子供の時に喧嘩になった、あの写真立て。クローゼットに入ってる。あなたが持ってるべきよ」
「しゃべらないでくれる?」
「だけど火葬するときは、私のうさぎのぬいぐるみも一緒に入れて。ベッドにあるから」
ビーナスは顔を目の前に突き出した。「殴り倒すわよ、そうしたら麻酔要らないわね」
レックスは唾を飲み込んだ。「またトイレ」
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