Skip to main content

Lady Wynwood #7 early release Kickstarter

I worked on my first Kickstarter and it got approved! It’s for the Special Edition Hardcover of Lady Wynwood’s Spies, volume 1: Archer and the release of Lady Wynwood’s Spies, volume 7: Spinster. I contacted my graphic designer about the Special Edition Hardcover of vol. 1: Archer—it’s going to be SO beautiful! The Kickstarter focuses on the Special Edition Hardcover, but it’ll also include vol. 7: Spinster so that it’ll sort of be like a launch day for vol. 7, too. A third special thing that’ll be in the Kickstarter is Special Edition Paperbacks of all the books in the series. They won’t be available in stores, just in the Kickstarter (and later, from my website, and also in my Patreon book box tiers if I decide to do them). The Kickstarter is not live yet, but you can follow it to be alerted when it has launched. (You may need to create a free Kickstarter account.) Follow Camy’s Kickstarter

ひとり寿司第22章パート3




「ひとり寿司」をブログに連載します!


ひとり寿司



寿司シリーズの第一作

キャミー・タング

西島美幸 訳

スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。

ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。

そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。

エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。

レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——

過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。

***


**********


父に白い封筒を渡される前から、レックスの心臓は張り裂けていた——冷たい日本海で真っ二つに分かれる氷河のように、耳をつんざくような鋭い音がする。

(あなたを、ワサマタユ・スポーツクラブの男女混合および女子バレーボールチームに受け入れます……)

その手紙にきちんと折り目をつけて、封筒の中に戻した。そして、膝を上げて横になっているソファの隣に置かれた、コーヒーテーブルに手紙を落とした。

彼女の入部を伝えるために、その日の午前中、ダレンから電話があった。

「ダレンさん……先週、ACLを切っちゃったんです」彼女の声は震えた。爪は電話に食い込み、甘皮が痛い。

「それは確かなの?」

「MRIを撮って、今日ドクターに会って来ました。二週間後に手術の予定です」

「レックス……」電話口で、ダレンの大きなため息が聞こえた。「故障者リストがあるけど、順番待ちリストと同じぐらい長いリストだ」

涙が頬をつたう。あごを引き締めて、舌を噛んだ。

「残念だよ、レックス。故障者リストに入れておく。もしかしたら二、三年後だね」

(カチャッ)

すべての希望の断絶。

封筒を見つめながら、唾を飲み込んだ。怪我のバカ。ACLのバカ。

封筒を取り上げて、きれいに二つに破った。そしてもう一度。さらにもう一度。小さい切れ端が、白い涙のように膝の上に降った。

**********


「もう出来ないわ、レックス」トリッシュの血走った目は、レックスの方に動いたが、その後、居間の窓の外へ流れた。震える手で、スウェットシャツの上の錠剤を取った。

「何がもう出来ないの? トリッシュ。ACLを切ったのは初めてなのよ」トリッシュが家まで来てくれたのは、レックスを職場まで乗せて行ってくれるためだと、レックスは期待していたのだが、トリッシュがこんな状態では、彼女の車には絶対乗りたくない。「会社には病欠だって電話したの? こんなひどい二日酔いは、大学以来見たことない」

「二日酔いじゃないわ」トリッシュの返事は早すぎ、キッパリし過ぎていた。頬をこすっても、青白く腫れた顔がピンクになるだけだった。

「そうじゃなくて、疲れてたから迎えに来てくれなかったんだよね。朝十一時のMRI」

「もう謝ったじゃない」悪いと思っているようには聞こえなかった。

「じゃあさ、この埋め合わせに手術の後二、三日、助けになってよ」

「それなのよ、レックス。もう出来ないの。前の時と同じじゃない」

「前の時って? 足首の捻挫の時?」

「分かってるでしょ……あのレイプの後」

北極の冬が、彼女の心を一瞬にして凍らせた。レックスはその言葉を口にしたことが一度もなかった。トリッシュもそうだった、この時までは。線路の上の汚れた雪のように、醜い音が部屋の中でよどんでいる。「どうして——」

「あの後、すごく鬱になってたよね」

レックスはあの襲撃後の日々を——数週間にもなるかもしれないが——はっきりと覚えていない。足と腕にかけられた重みのような感覚は覚えていた。口は開いていても、あの時のことを話すことができなかった。

トリッシュは話し続けた。「あなたが受けたトラウマみたいなものは分かるわ。だけどね、あなたと一緒にいるだけで、私は感情的に疲れ果てたの」

レックスは、その頃、トリッシュが一緒にいてくれたことを覚えていた——風が吹き荒れる夜、トリッシュだけが、彼女にとっていつも輝く星だった。あの頃、トリッシュの笑顔と、レックスの腕、肩、頭に触れる彼女の手だけは——耐えられた。父と兄は別として、トリッシュだけが彼女に何が起こったのかを知っていた。ビーナスやジェニファーには話していない。ましてや祖母は知る由もない。

レックスは唾を飲み込んだ。「手術の時、あなたが助けになってくれるのを期待してたのに」

トリッシュは頭を振り、その目は壁、天井、そして窓へと流れて行った。「和夫が言うのよ。要求が多くて、いつもくっついてるあなたのために時間を取られ過ぎてるって」

「ええっ?」

「二度はできないわ、レックス」

レックスは息を呑んで、そこに座っていた。なんと言っていいのか、分からない。(ああ、分かったわ。膝とワサマタユを同時に失った今、無能者にはならない、って約束する)

トリッシュは黙ってため息をつき、振り返って玄関まで歩いていった。ドアを出て、それをしっかりと閉めた。

レックスはそのドアを見つめた。もう一度ドアがあくのではないかと期待している自分に気づき、顔をそむけた。

その眼差しは、ベルクロとメタルの黒い装具に固定された、ゴワゴワした足まで降りていった。足の痛みより、それを見るたびに感じる心の痛みの方が格段に大きかった。初めて受ける大きな手術だ。

自分がこうなるなど、思いもしなかった。捻挫や肉離れは何度かあったが、深刻なものは何もなかった。

今回は……魂から命を吸い取られた。空虚ではかない気持ちになった。

空虚ではかない気持ちになったことなど、今まで一度もなかった。いつも強くて健康的だったのに……。

もしかしたら、もう二度と強くて健康的になれないかもしれない。

目を固く閉じると、涙がポロリと落ちた。舌を強く噛んだ。その痛みのために、集中することができ、一〇億の涙の粒が溢れ出るのが抑えられた。

誰が看病してくれるだろうか? 父は金曜日に引っ越してしまい、自分も今週末には出て行かなくてはならない。見つけたコンドミニアムの部屋は階段があるから無理。だから電話をかけて、南サンノゼにあるワンルームコンドミニアムの一階を押さえた。予算に合うコンドミニアムはここだけで、トリッシュに見に行ってもらおうと思っていたが、彼女と連絡が取れないので、実際に見に行ってもいない。確かに最近のレックスは、トリッシュに頼り過ぎていたのかもしれない。レックスは彼女を窒息させていたのだろうか?

本当に、そうだったのだろうか? トリッシュに会うのは週に一回か二回、教会かバイブルスタディだけなのに? しかし、ことあるごとにトリッシュに電話をしていたのは確かだ。もしかしたら、それが彼女を苦しめていたのかもしれない。

レックスのため息は、すすり泣きに変わった。まるで、人を窒息させる濡れた毛布だ。

誰が看病してくれるだろうか? 父親? だめだ——レックスの身の回りのことを手伝うのは、絶対に苦手だ。いつもそういうことからは逃げていて、子供の頃も、レックスの叔母に任せていた。

ジェニファーは? 思いやりがあり、母親らしいことはできるだろうが、彼女は仕事がある。ビーナス? トリッシュと違い、とげのあるビーナスと親しくなったことはなかった。

誰もいない……

電話が鳴った。レックスはソファーとコードレス電話との間の距離を測り、体を引きずって、四回鳴ったときに電話を取った。「ハロー?」

「レックス、ビーナスよ。変に思うかもしれないけど、突然、あなたに電話をかけなきゃいけない気がしたの。もしかしたら神様がそう言ってるのかなと思って」

レックスは泣き出した。

ビーナスはため息をついた。「やっぱり、神様は正しかったみたいね」

***

電子書籍
アメリカKindle
日本Kindle
Apple Books
Kobo/Rakuten
Google Play
印刷本
アメリカAmazon
日本Amazon

Comments

Popular Posts

Prelude for a Lord now on Amazon and Kindle Unlimited

The new, extended version of Prelude for a Lord is now available on Amazon! I am re-releasing Prelude for a Lord , which was originally published by Zondervan but I got the rights back. Zondervan had a strict word count limit, so I cut about 20,000 words from the manuscript, but now that I have the rights back, I’m releasing the extended version before I cut the words out. The book is now about 120,000 words (the Zondervan version was 100,000 words). Don’t worry, I’m still working on the Lady Wynwood’s Spies series. I’m just re-releasing this book since Zondervan is no longer selling it and some people wanted to read it. I’ll work on the Gentlemen Quartet series after I finish the Lady Wynwood’s Spies series (Lady Wynwood is projected to be 12 books). There will also be some neat cross-over between the two series! I’ll eventually do annotated chapters with Easter Eggs and behind-the-scenes content for Prelude for a Lord , but for now, they’ll only be available to my Launch Tea...

No Cold Bums toilet seat cover

Captain's Log, Stardate 08.22.2008 I actually wrote out my pattern! I was getting a lot of hits on my infamous toilet seat cover , and I wanted to make a new one with “improvements,” so I paid attention and wrote things down as I made the new one. This was originally based off the Potty Mouth toilet cover , but I altered it to fit over the seat instead of the lid. Yarn: any worsted weight yarn, about 120 yards (this is a really tight number, I used exactly 118 yards. My suggestion is to make sure you have about 130 yards.) I suggest using acrylic yarn because you’re going to be washing this often. Needle: I used US 8, but you can use whatever needle size is recommended by the yarn you’re using. Gauge: Not that important. Mine was 4 sts/1 inch in garter stitch. 6 buttons (I used some leftover shell buttons I had in my stash) tapestry needle Crochet hook (optional) Cover: Using a provisional cast on, cast on 12 stitches. Work in garter st until liner measures...

Tabi socks, part deux

Captain's Log, Stardate 07.25.2008 (If you're on Ravelry, friend me! I'm camytang.) I made tabi socks again! (At the bottom of the pattern is the calculation for the toe split if you're not using the same weight yarn that I did for this pattern (fingering). I also give an example from when I used worsted weight yarn with this pattern.) I used Opal yarn, Petticoat colorway. It’s a finer yarn than my last pair of tabi socks, so I altered the pattern a bit. Okay, so here’s my first foray into giving a knitting pattern. Camy’s top-down Tabi Socks I’m assuming you already know the basics of knitting socks. If you’re a beginner, here are some great tutorials: Socks 101 How to Knit Socks The Sock Knitter’s Companion A video of turning the heel Sock Knitting Tips Yarn: I have used both fingering weight and worsted weight yarn with this pattern. You just change the number of cast on stitches according to your gauge and the circumference of your ankle. Th...

Winners - FORMULA FOR DANGER

The winners of FORMULA FOR DANGER are: Jasmine A. Veronica B. Gail D. Lindy E. Barb F. Tammie J. Meg O. LeAnn R. Bonnie T. Sharon T. Congratulations! (I've emailed you. Please email me at camy {at] camytang[dot}com if you didn’t get the email message.) I know the rest of you are crying in your mocha almond lattes that you didn’t win. Cheer up! Order the book! Formula for Danger by Camy Tang HER LIFE WAS ON THE LINE Someone wants dermatologist Rachel Grant's latest research, and they'll do anything to get it. Including trashing the plants needed for her breakthrough scar-reducing cream--and trying to run Rachel down. Desperate for help, she turns to Edward Villa, the only man she trusts. But the greenhouse owner knows too much about Rachel's research, and now he's a target, too. Break-ins, muggings, murder...the would-be thief is getting desperate--and getting closer. Edward vows to protect Rachel at all costs. Yet with time ticking away, Edwar...

Writing Progress on Camille's Next Book

Join my Patreon or my email newsletter to get regular updates in your inbox!

Lady Wynwood’s Spies, Volume 7 annotated edition

Earlier I had posted that you can now buy Lady Wynwood’s Spies, Volume 7: Spinster  on my website. But I forgot to mention that for a limited time, if you buy the eBook  or the paperback , you’ll also get the annotated edition eBook with Easter Eggs, behind-the-scenes tidbits, research notes, and random author commentary FREE. Once the book goes into Kindle Unlimited, I can no longer offer the annotated version on my website, so be sure to get it now before the book goes up on Amazon. 10% off coupon code for ALL BOOKS I finally got all the Lady Wynwood’s Spies regular paperbacks in my store, and if you use the coupon code website10 , you can get 10% off all the eBooks and paperback books in my shop! NOTE: If you’re waiting for the Special Edition paperbacks, those will be available in my Kickstarter  later this month. Get 10% off https://camilleelliot.com/shop/

Toilet seat cover

Captain’s Log, Supplemental Update August 2008: I wrote up the pattern for this with "improvements"! Here's the link to my No Cold Bums toilet seat cover ! Okay, remember a few days ago I was complaining about the cold toilet seat in my bathroom? Well, I decided to knit a seat cover. Not a lid cover, but a seat cover. I went online and couldn’t find anything for the seat, just one pattern for the lid by Feminitz.com . However, I took her pattern for the inside edge of the lid cover and modified it to make a seat cover. Here it is! It’s really ugly stitch-wise because originally I made it too small and had to extend it a couple inches on each side. I figured I’d be the one staring at it, so who cared if the extension wasn’t perfectly invisible? I used acrylic yarn since, well, that’s what I had, and also because it’s easy to wash. I’ll probably have to wash this cover every week or so, but it’s easy to take off—I made ties which you can see near the back of the seat. And...

Free short story: How Laura Met Aya

One of the perks of Tier 2 and higher in my Patreon is that they get a bonus short story twice a year. They voted to read about how Laura met the Senhora and so I worked on “Lady Wynwood and the Senhora’s Bargain” at the end of November and I’m just about finishing it up right now. When outlining this story, because it was so intertwined with how Laura meets Aya, I ended up writing a short story about how they met, which became the prologue. (And then the story of how Laura meets the Senhora exploded into a novella instead. I’m not sure exactly how. I just kept writing and writing and writing …) Anyway, as a Christmas gift, I decided to give my patrons the prologue of “Lady Wynwood and the Senhora’s Bargain” because it’s a complete short story about how she met Aya, which I think some of you might like to read. (In order to see the post, you may need to register for a free Patreon account and then Follow my page for free). Enjoy! “Lady Wynwood’s Encounter” (how Laura met Aya)

Chinese Take-Out and Sushi for One

Captain’s Log, Supplemental My agent sent me an article from Publisher’s Weekly that discussed this incident: Chinese Take-Out Spawns Christian Controversy And here’s also a blog post that talks about it in more detail: The Fighting 44s This is Soong-Chan Rah’s blog: The PCS blog In sum: Apparently Zondervan (yes, my publisher), who has partnered with Youth Specialties, had put out a youth leaders skit that had stereotypical Asian dialogue, which offended many Christian Asian Americans. In response to the outcry, Zondervan/Youth Specialities put out a sincere apology and is not only freezing the remaining stock of the book, but also reprinting it and replacing the copies people have already bought. I am very proud of my publisher for how they have handled this situation. The skit writers have also issued a public apology . (I feel sorry for them, because they were only trying to write a funny skit, not stir up this maelstrom of internet controversy. I’ve been in youth work long enou...

I GOT A CONTRACT!

Captain’s Log, Stardate 03.29.2006 I had a wonderfully funny blog post planned for today, but I got sidetracked by some news yesterday! Zondervan has offered me a three-book contract on my Asian chick-lit series ! I’m still stunned by everything that’s happened. The series is actually a 4-book projected Asian chick-lit series about four cousins who fall under the infamous family title "Oldest Single Female Cousin," and their ruthless, wealthy grandma applies pressure on each of them to improve their lack of love interests. I think the first book is tentatively scheduled to be released in August 2007. The blurb on the series is on my website here . Brandilyn Collins posted to the ACFW loop about my writing journey, and Tamara Cooper asked that I share it. And since you all know how much I like to talk , here it is. My writing journey: Like most writers, I have wanted to write since I was very young. (In high school, I wrote a fantasy novel that will never see the light of day ...