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ひとり寿司第21章パート3




「ひとり寿司」をブログに連載します!


ひとり寿司



寿司シリーズの第一作

キャミー・タング

西島美幸 訳

スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。

ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。

そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。

エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。

レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——

過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。

***


「で、レックス、どんな仕事してるの?」あまりに上辺だけの陽気さは、バーニーの映画のように聞こえる。

彼を正面からにらみつけて、ピシャリと言った。「やめてくれる? どうせ私の祖母があなたのお母さんに——」

「母じゃなくて、実は叔母」

レックスは肩をすくめ、ブラックビーンズ・ソース味の鶏肉まで戻った。

「じゃあ、隠しごとはもう何もないんだから……」ゲッコウの声はさらに強引、さらに不快になった。「正直に言うとさ。ゲームのチケットが欲しいんだよね」ゲッコウは、何か知的なことを言ったかのように微笑んだ。

「ないわ」あ、チャイニーズブロッコリーとちんげん菜は向こうだ。

「頼むよ」ネバネバした声だ。「お礼はするからさ」

「正直に言うけど、ゲッ、じゃなくて——ヘクター、あなたみたいにつまらない人とはデートしたくないわ」コーンをすくってお皿にのせた。

「誰がデートって言った? 他の方法でお礼をするから」

さりげなく言おうとしているようだ。やくざとしては、非常にお粗末だ。「お金っていう意味?」声の調子を上げた。

ゲッコウは頬をへこまし、彼女の前であわてて声を落とすよう、手を上下にパタパタさせた。「ちょっと静かに」

「お金ってことでしょ?」さらに大きな声で言った。

「はいはい、ちょっと黙って」

お皿の端から落ちそうになった一切れの魚を救助した。鍋に入れる食べ物を取り終わった。「答えは『ノー』よ」

「君が欲しいだけ払うよ——」

レックスはテーブルの方を向いたが、ゲッコウは邪魔をして、彼女の腕に手を置いた。レックスはガタガタ揺れて離れた。「あのさ、未成年者を誘惑して刑務所行きになるようなこと、させないでくれる?」

「誰にも言わなきゃ分からないよ」

「答えは『ノー』よ。分かった?」

「頼むよ——」

「ヘイ、レックス」

エイデンと会えるのは、すごく嬉しい。今回もまたそうだ。「何してるの?」

エイデンの眉毛が上がった。「何って、『エイデン、こんにちは。元気?』だろ?」

彼女は微笑んだ。「エイデン、こんにちは。元気?」

「まあね。友達のスペンサーと、そのガールフレンドと一緒なんだ」

「私は、ワサマタユのトライアウトがうまくいったお祝い」

「すごい! それで、どう——」

「ちょっとごめん、エイデンだっけ、僕たち話してる途中なんだ」ゲッコウが、二人の間に顔を突き出した。

エイデンの顔が石のようになった。「もう終わってるみたいだけど」

「全然終わってない」

「何て言った?」レックスはゲッコウの方を向き、その突き出た喉仏を凝視した。あそこにパンチを食らわせたら、彼はしゃべらなくなるだろうか。

「君のおばあさんが、僕にそのチケットを約束してくれたんだよ」

「ああ、それは残念だったわね」

「当てにしてたのに」

「へえー、それはすごいわね」

ゲッコウの血走った目は、頭蓋骨から飛び出しそうに見えた。「だってさ、君が——」

エイデンの引き締まった体が、彼らの間に入り込んできた。「こちらの女性は『ノー』って言ってるよ」

レックスは後退りした。周りの人が、彼らの口論に気づき始めた。

ゲッコウの顔は、狂ったウサギのようにひきつった。「君に話してるんじゃないよ」

「僕は君に話してるんだ」エイデンの鋭い声は、引き抜こうとする刀のような響きを持っていた。「彼女は『ノー』って言ってる。放っておいてくれるかな」

「どけよ」

「外で話そう」

「君とどこかに行く気はないよ」ゲッコウが、突然エイデンの肩を押したので、エイデンは後ろによろめいた。

レックスは、よけようとして向きを変えた。

エイデンは地面に倒れないように腕を伸ばした。彼の肩が、レックスの膝関節のど真ん中にぶつかった。

膝から(ポン)という嫌な音が聞こえ、それを感じた。

足の内側に沿う膝下の柔らかい部分の中で、捻挫のような痛みが膝蓋骨の周りで破裂した。レックスは地面に倒れた。生肉と野菜はお腹、足、髪の毛の上に落ちてきた。右膝をつかんだ。

(ウソだ、神様、そんな——)

焼けるような熱い川が流れるように、関節が腫れてきた。膝が強く脈打つ不快な音が聞こえ、鋭く刺されたような関節は皮膚から飛び出しそうだ。

(やめて、お願い、やめて)

足を持ち上げると、スネがぶらぶらし、太腿からの角度が少し変になっている。

(やめて、今だけは、お願い)

「シーッ、レックス。大丈夫だから」ビーナスの顔が目の前に現れた。

レックスは、知らない間に叫び声を上げていたのだった。

***

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