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「ひとり寿司」をブログに連載します!
ひとり寿司
寿司シリーズの第一作
キャミー・タング
西島美幸 訳
スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。
ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。
そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。
エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。
レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——
過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。
19
マリコは、その悪名高い甘党遺伝子の威力をフル活用していた。
食べ物のテーブルを眺めながら、レックスはすでに、歯のエナメルが砂糖にやられるのを感じた。ナッツ入りバナナブレッド、セサミボール、アーモンドクッキー、フルーツカクテル、アーモンドカスタード、蒸しケーキ、それに、エビとくるみのはちみつソースもある。その朝、トランズ・ニュークリアコーヒーショップで買った強いコーヒーが、お腹の中でブクブクと音を立てていた。
「お腹空いてないの?」レックスのいとこのティキは、チョコレートクロワッサンを食べながら、不可能なほど長いまつ毛をゆらゆらさせている。
そもそも、アジア人のティキのまつ毛が何故そこまで長く、カールしているのだろう? 偽物に違いない。それに、何のためらいもなくチョコレートクロワッサンを食べているこの子がゼロサイズなんて、信じられない。ティキは息子も一人産んでいるというのに。
「ねえレックス、マリコは何かあなたを驚かせたいことがあるそうよ」
レックスはティキをのぞき込んだ。「時間の無駄よ」
猫のような目が、陽気に輝いた。「そうなの? どうして?」
「バイロン・ハーベイがいるのに、男は要らないわ」サクラメント・キングズのトップスコアラーだ。
ティキは瞬きした。その顔はぼんやりしている。脳みその容量と同じだ。「それは……いいわね」
レックスは口をすぼめた。「そうなの……バイロンか、ジェフ・ジャーマンか、どっちにしようかと思ってさ」
ティキの整った眉毛にシワができた。「誰それ?」
「ジャーマンよ。オークランドA’sの」
眉毛が真っ直ぐになった。「ああ、野球ね」選手の名前など知るものか、という言い方。
レックスは、横隔膜が落とし戸のように落ちるのを感じた。このおバカさんは、スポーツのヒーローを誰も知らないのか。マリコの結婚式にプロのアスリートを連れて行くということは、文盲者が集まるディナーでピューリッツアー賞に輝くようなものだ。
「タヴィが泣いてるわ」ティキは、金切り声を上げる赤ん坊をなだめようと、飛び出して行った。
レックスは肩を落とした。少なくとも、UCLAの同窓会担当者の機嫌を取ってバイロンの電話番号を聞き出す手間が省けたから、よかった。どうせ、本物の恋人だと祖母に確信させることはできなかっただろう。
「オッケーみんな、ゲームを始めるわよ」マリコはチアリーダーのように元気よく、居間の真ん中に立っていた。
ティキは、泣いている一歳児を揺らしながら、マリコににじり寄った。「バートはどこ? 子守をしに来てくれることになってるんだけど」
マリコはシーッ、と言ってティキを黙らせた。
ドアがあいた。
ミスター・ベビーシッターは、剣闘士と戦うためにコロシアムに入るラッセル・クロウのような血色、体格、顔色をしていた。真っ直ぐ伸びた背筋、上を向いたあご、食いしばった歯、険しい目——戦う準備は整っている。
「やっと来たわ!」ティキは、彼の腕の中にタヴィを押しつけた。「ほら、タヴィちゃん、バート叔父さんよ」マリコの方へ踊るように戻った。「じゃあ、始めましょ」
「バート、そこに座って」マリコは、マニキュアを塗った指で、二つ並んで置かれた椅子の一つを突いた。「レックス、あなたは——」
「はいはい」レックスはバートの隣にドスンと座った。
彼はジャック・ハンマーのようにタヴィを揺らすので、肘がレックスの腕に軽く触れている。
レックスは椅子を数センチずらした。
「みんな、洗濯バサミを五個ずつ取ってくれる?」ティキが洗濯バサミを配った。「どこでもいいから自分の服にはさんで」
レックスは、針もぐらのようにブラウスの袖をはさんだ。
「誰かが『ウェディング』っていう言葉を言うのを聞いたら、言った人から洗濯バサミを一つ取るの。最後に持ってる洗濯バサミが一番多い人の勝ちよ」ティキは手を叩き、これより気のきいたゲームはこの世にないかのように、爪先で飛び跳ねた。
レックスは自分の洗濯バサミを五個全部外して、ミスター・ベビーシッターに渡した。「はい、ウェディング」
「レックス!」ティキの顔がそのピンク色の唇と同じ色になった。「あなた、シャワーの精神を分かろうともしないの?」
「しないわ」レックスは嬉しそうに言った。
ミスター・ベビーシッターは、しゃっくりをし始めたタヴィを片手に移し、レックスの洗濯バサミをつかんだ。「サンキュー。この後はもう一言もしゃべらないから」
「みんな、じゃあ今度は、ここにあるトイレットペーパーを使ったゲームよ。好きなだけ取っていいわ」トイレットペーパーのロールをみんなに渡しながら、マリコはクスクス笑った。他の女性も、トイレットペーパーを引っ張りながら笑い始めた。レックスは一切れだけ切った。
「二つのチームに分かれるのよ。あなたたちはチーム・ワン——」マリコは三人のバービー人形(レックスはこの子たちの名前を覚えていなかった)、レックス、ミスター・ベビーシッター、ベビー・タヴィを指さした。「残りがチーム・ツー。じゃあ、一人がモデルになって、トイレットペーパーでウェディングドレスを作るのよ!」
(冗談でしょ)それに、何でマリコが歓声を上げているのか? これほどバカげたブライダルシャワーは史上初ではないだろうか。
「レックス、モデルはあなたよ」チリチリの金髪の背の高い女の子が言った。
「だって私たち、ドレスの作り方を知ってるから」このアジア系の女の子は、緑色のコンタクトレンズをつけているせいで、エイリアンのように見える。
「いやよ、絶対」レックスは腕組みした。
「いいじゃない」ショートヘアの巨乳女子の身長は、手に持っているトイレットペーパーと同じ長さだ。「あなたが抵抗しなければ、早く終わるのよ」
確かにそうだ。そうすれば、レックスはドレス作りを手伝っていないことにはならないし、ミスター・ベビーシッターは手が空かない。「分かったわよ」レックスは腕を伸ばして、緑のコンタクトの鼻をはじくしぐさをした。
マリコは時間制限を設けるべきだった。三バカ大将は、トイレットペーパーの切れ端を全て使おうとして、どこに置こうかと悩んでいた。
「肩の上は?」
「ダメよ、素敵なトレーンが隠れちゃう」
「前に落とそうか?」
「ダメ、ラインが崩れる」
(ライン? トイレットペーパーのドレスなのよ、お願い。それに、どうしてそこまでさわる必要がある?)「早くしてよ!」レックスがくるっと回ったので、三人がギロッとにらんだ。ミスター・ベビーシッターは離れたところに座っていて、タヴィをフットボールのように抱いている。
ドアベルが鳴った。レックスのグループはドアの近くにいたので、巨乳女子がドアをサッと開けた。
レックスが体をひねった。「ダメ!」
もう遅い。ドアが開いた。「お届け物です。サインをお願いします」宅配便の配達員が、茶色のユニフォームを着て立っている。ミイラのようになったレックスを、驚いたような顔で二度見した。チリチリの金髪が、ベールだと言ってレックスの頭をさらに多くのトイレットペーパーで巻いていた。
レックスは配達員をにらんだ。「何見てるの?」
彼は飛び上がった。「な、何も見てません」巨乳女子が走り書きでサインをし終わらないうちに、電子パッドをつかみ、急いで出ていった。
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