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「ひとり寿司」をブログに連載します!
ひとり寿司
寿司シリーズの第一作
キャミー・タング
西島美幸 訳
スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。
ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。
そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。
エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。
レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——
過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。
18
今は、レックスが大好きな気晴らしの時間——いとこのブライドジラの相手をすることだ。できる限り長い間放っておいたのだが、今は金曜日の夕方。オフィスのドアを閉め、マリコに電話をかけようと腰かけた。
「もしもし?」
レックスはためらった。甘く柔らかい声——とてもマリコらしくない。「マリコ、レックスよ」
「何か用?」マリコはいつもの声で怒鳴った。
「明日のブライダルシャワー、行けない」
「もちろん、来られるわ」一言一言がナイフのように鋭い。
レックスはため息をついた。マリコはホルモンに動かされている。「考えてみて、おばあちゃんが決めたブライズメイドで、私はその中のただ一人よ。友達との楽しい時間を私に壊されたくないでしょ」
意味ありげな沈黙——マリコのどっちつかずな態度が目に見えるようだった。(おばあちゃん……友達と楽しむ……おばあちゃん……友達と楽しむ)「ダメよ」
「どうしてよ?」
「おばあちゃんに殺されるからよ」困窮しているような調子の声だった。
「おばあちゃんは来ないでしょ。私が行かなかったことがどうやって分かるの? 誰かが告げ口するとか?」
「だって……おばあちゃんから電話がかかってくるわ。どうだったかって」
何という下手な言い訳、たとえマリコだったとしても。彼女に対するレックスの信頼は、ハワード叔父さんが悪い冗談を言わないことを信じているのと同じぐらいのレベルだった。「他に何かあるんでしょ?」
「何もない」しかし、そのキツい言い方からは、本物の苛立ちが感じられなかった。
何故マリコは、そこまで頑としてレックスに来てもらいたいのだろうか? 「何かおばあちゃんに頼まれてる? 私に紹介したい男を招待したとか?」
「ち、違う! あなたのためにそんな努力はしないわ」
「そうよね。だけど、おばあちゃんのためだったらするでしょ」
「あなたって、本当に自分のことしか考えてないわね。絶対に来るのよ。そして、何もぶち壊さないで。あなたはいつも何かをダメにするんだから」
レックスは喉が苦しくなり、痛みを呑み込んだ。「そんなことない」咳払いをした。「そんなことない」そうだ、もっと力強く言った。
運よくマリコは聞いていなかった。「どうして次のOSFCがあなたなの? そうじゃなきゃ、私のブライズメイドにならなくてもよかったのに。どうしてビーナスが次のOSFCじゃないのかな——少なくとも彼女は写真写りがいいから。それともジェニファー——彼女はいつも気楽にしてる。何で、あなたがいない理由をおばあちゃんに説明しなきゃいけないの? 私が」
レックスは電話を強く握った。「何でこんなことさせるの? 私、何かした?」
「私より十三ヶ月遅れて生まれた、ってだけ」
レックスは熱い息を吐いた。「それは私のお父さんのせいでしょ」
「長年OSFCだった、ってことがどんだけ辛かったか、あんたは分かってない」
「ちょっとちょっと、自分のことばっかりじゃない」レックスは何かを壊したくなった。「あんたのくだらないシャワーには行かないわよ、どうせ私にそこらの男を押しつけるつもりなんでしょ」
「くだらないシャワーじゃないわ——」
「今週どれだけ大変なことがあったか、分かる?」レックスは指折り数え始めた。「十日以内に家を出なきゃいけない。お父さんが今週末にガレージセールをできるように、荷物を整理しなきゃいけない。お父さんはハワード叔父さんの家に引っ越すから、私のスペースはないのよ! たった三日で家なし、所有物なしになるのよ、分かる?」
マリコの低く脅すような声が、電話越しにはっきりと聞こえた。「あんたは明日来るの。来なかったら、私がおばあちゃんに直接言うわ。あんたはバートに会いたくないんだって」
「やっぱり! 私に男を押しつけようとしてるじゃない」
「本当に子供ね。九時よ、分かった?」(カチャッ)
レックスは椅子に倒れ込んだ。人生は実に不公平だ。マリコとそのキャピキャピした友達は、ブライダルシャワーで笑い、楽しんでいる。だが、男勝りのレックスは違う。全く興味のない男が、自分に興味があるふりをしながら嘲笑っている。そして、その場を出るか出ないかのうちに、祖母から電話がかかってくるのだ。「どうだった? 彼は、あの娘を気に入った?」
このようなことが、この最悪の週に起きてはならない。ボーイフレンド探しはあきらめた——家探しの方が先だ。父が自分を追い出したくてたまらないように思えて、二重に見捨てられた気がした。
いや、そんな風に考えるべきではない。父は最近気が散っているようだった。彼はレックスを愛している。父と叔父のハワードは、独身男性向けコンドミニアムでの生活を楽しむはずだ。そのことについて父に腹を立てるのは間違っている。確かにレックスはひどい娘だったかもしれない。父が自分のことを一生面倒みてくれるなど——期待するべきだっただろうか?
十日後にはインターネットも使えなくなるから、ついでにオンラインでコンドミニアムでも探そうか。スリープモードのコンピュータを起こすため、マウスを動かした。
あ、メールが来ている。ラッセルからだ。
(レックス、おめでとう! あなたの女子中学生クラブチームは、SPZスポンサーファンドの支援対象に選ばれました。資金は九月から……)
何これ? もう一度読んだ。
選ばれた。却下されなかったんだ。
「お金ができた!」レックスは静かなオフィスの中で、大声で叫んだ。
メールの続きを読んだ。(SPZスポンサーファンド委員会は、より多くの女子選手の参加を奨励するこの機会に熱心に取り組んでおり、コミュニティを築き、女子選手に機会を提供し、地域の他の子供たちに影響を与えることを願っています)
(資金の提供は、夏のプレイオフの最終成績が条件です。これは、完璧なチームを要求しているからではなく、あなた自身のコーチとしてのスキルを評価するためです)
なるほど、負けてばかりのチームをサポートしたくないということだろう。だが、困った、プレイオフでボロ負けだったら、レックスが面目を失うことになる。
(プレスリリースが既に新聞で公表されています——)
プレスリリース? つまり、チームの成績が悪いと、彼女が面目を失うばかりか、彼女の会社がコミュニティ全体に対して面目を失うのだ。
素敵。プレッシャー、ゼロ。
つまり、レックスはプレイオフのために祖母のお金がどうしても必要だ。SPZの資金は九月まで入ってこない。マリコの結婚式は六月だった。
九月まで、バカ男くん——いや、ボーイフレンドが必要だ。さらに、結婚式の時には本当のカップルのように見えなくてはならない。
レックスは唇を噛んだ。些細な問題が、お腹の中で穴を掘り始めた。ラブラブなように見られるのをいとわない人じゃなきゃダメだ。だって、「エペソ」のリストにもそうあるじゃないか。
結婚式の時、自分は場違いに見えないだろうか? マリコの顔と彼女のアジア系バービー人形のようなポーズが、目の前に浮かんだ。本当に魅力的で、本当に今風、本当に可愛い。レックスはブスではないが、魅力的でも、決して今風でもないし、他の人から可愛いと思われたくもなかった。
いや違う、レックスに悪いところは何もなかった。そこにいる女の子達や、叔母さんたち、そして祖母に見せつければいい。レックスは魅力的だ。同情されることはない。特にあの人たちからは。レックスは、あんなおバカさんたちと、おバカさんたちのボーイフレンドよりも優秀だ。
(パチン!)電球が切れた。
スーパースターとデートでもして、あっと言わせてやろうか。眩いばかりのボーイフレンドを見て、彼女らはレックスのスーパーウーマンのような魅力にひれ伏すだろう。
昨日もちょうど、母校での行事のことで、A’sの新しいピッチャーに電話をかけたところだった。彼とは気が合った。おいしい中華料理を約束すれば、彼は結婚式のときのデート相手になることに合意してくれないだろうか。
それか、ジャイアンツの新しいショート。彼の親友であるUCLA同窓会代表者は、先週の試合にレックスが送ったスカウトのことで、彼女のことを尊敬していた。
レックスは椅子にもたれ、天井を見上げた。うまく行くだろうか。
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