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「ひとり寿司」をブログに連載します!
ひとり寿司
寿司シリーズの第一作
キャミー・タング
西島美幸 訳
スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。
ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。
そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。
エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。
レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——
過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。
「ここが君のオフィス」あら? グレイの声は、なぜもっと少し怒っているように聞こえないのだろう。
オフィス? と言うか、クローゼットのようだ。ウォークイン・クローゼットではない。ジュディは慌ただしく辞めていったようだ——書類は床に散乱し、カーペットの上には、植木鉢が置かれていた跡の丸い形の周りに泥と紫色の花びらが散らばっていて、マニキュアの除光液のにおいもかすかに漂っている。キラキラした花のシール、塗られた蝶の絵、切り取ったハートの形が、金属製のファイルキャビネットに飾られている。爪やすりと、半分開いた、よく使われていたように見えるアイシャドウ用コンパクトが、デスクの脚の横に落ちている。
デスクの上には、ピンク色の伝言メモが束になっている。上の方のメモの日付がレックスの目に入った——今日だ。
これってみんな——? メモの束をめくってみた。全部、今日のメモだ。日曜日のも二枚ある。
彼女がこの紙切れを吟味しているのを見たグレイは、愛想よく微笑んだ。彼女の表情から、動揺が鳴り響いていたのだろうか?
「引き出しの中に先週のメモも入ってるから、よろしく」
グレイがドアから出ていくと、レックスの「オフィスの」床面積は二倍になった。デスクの後ろの狭いスペースに何とか入り、柔らかい椅子に倒れ込んだ。
小さいピンク色の伝言メモは、彼女に向かってクスクス笑っているようだった。
デスクの上に肘を置き、顔を手の中にうずめた。一体、何をすれば良いのだろうか。どうやらジュディは可愛く女性らしかったようだ——レックスが履けないようなスチレット・ヒールを履いていたのだろう。
誰かがドアを強くノックした。今度はどんな雄鶏がいばり散らしにきたのか? 「どうぞ」
あの親切な受付嬢に会って以来、初めて親しみ深く微笑んで入ってきたのは、ラッセル・デイビスだった。「ごめん、ごめん、会議があってね」
「大丈夫です」レックスは立ち上がった。
「いやいや、狭くて立てないだろう」部屋の中に入ってからでないとドアが閉められないほど狭く、ラッセルは、それでも中に入ってドアを閉め、彼女のデスクの端にちょこんと座った。なぜか、近距離にいる彼は彼女に圧迫感を与えなかった。
ついでに聞きたかったことを聞いてみよう。「ラッセルさん、どうして私を採用したんですか?」
彼は笑った。「驚いた?」
人事の女性からの電話を思い返した。それに、あのパーフェクトなタイミング。「確かにそうとも言えますね」
彼は、裏の駐車場を窓からじっと見た。「君が自分で証明したんだよ、あの時。このポジションのために僕が必要としている条件全てに当てはまってることをね」
「もう一つ、これは、正確にはどんなポジションなんですか?」
笑った目にシワがよった。「そうだった、まだ知らないんだったね。同窓会リエゾンっていうのは、大学の同窓会専用の受付みたいなものなんだ。君は、彼らとSPZの間の仲介役ってことになる。情報、スケジューリング、広報宣伝、ニュースなんかのね。君が彼らの質問に答えて、答えを探して、情報を転送して、提案事項を実施する。同窓会は、SPZの代表者としての君とだけ付き合うんだ」
「一体そんなこと、どうすれば私にできるんですか? 言わせていただきますが、私は製造エンジニアなんですよ」
「前任のリエゾンは、ね——」
「分かってます、もう全て聞きました」
彼は鋭い表情で、カーペットの上の泥の模様を観察した。「ジュディは同窓会に好意的に受け入れてもらえなかったから、彼女も同窓会の代表者たちに共感できなかった。君はそれができる」
「どうして分かるんですか?」
彼が微笑むと、顔のシワが深くなった。「君は大学のスポーツのことをよく知ってる、有名なものだけじゃなくてね」
あの時の会話まで、記憶のページをめくってみた。「もしかしたら、私が知ってるのはレスリングとバスケと野球だけかもしれませんよ」
「確かにそうかもしれない。だけど君だったら、必要があれば他のスポーツのことも覚えようとするに違いないと思ったんだ」
レックスは頭を傾けた。「もちろんそうです」閉じられたドアに向かってうなずき、それからまっすぐ彼を見た。「この仕事をしたい男性はたくさんいるじゃないですか」
彼はニヤリとした。「君のものだよ」
「ラッセルさん、冗談じゃないですよ」
「同窓会っていうのは、概して女性の担当者を好む、ってことを彼らは分かってない。だけど、前任者のようなリエゾンは要らないんだ」
レックスは、ファイルキャビネットの上の不快なシール、蝶、ハートをチラッと見た。「ジュディみたいじゃないことは、保証します」
「知ってるよ。君はこの仕事に向いてる。それに、楽しんでもらえると思うよ」彼は彼女のデスクから降り、一歩下がってドアを押し開けた。
三人の男性が、うずくまった姿勢から飛び上がった。
ラッセルは睨みつけた。
彼らは固まった。
「君たちは仕事がないのか?」火山アイスクリームを噴火させることができそうな、声の調子だった。
彼らは散り散りに逃げていった。
ラッセルは彼女の方に振り向いて、ピンク色のメモの束にうなずいた。「今日は、その人たちに電話を返してもらえるかな。自己紹介も兼ねて。政権交代があったことを、同窓会の担当者たちに知らせるんだ」
「分かりました」
「何か分からないことがあれば——」
「さっきの社員の誰かをいじめます」
ラッセルはニヤッとして、レックスのオフィスから出て行った。
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