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Lady Wynwood #7 early release Kickstarter

I worked on my first Kickstarter and it got approved! It’s for the Special Edition Hardcover of Lady Wynwood’s Spies, volume 1: Archer and the release of Lady Wynwood’s Spies, volume 7: Spinster. I contacted my graphic designer about the Special Edition Hardcover of vol. 1: Archer—it’s going to be SO beautiful! The Kickstarter focuses on the Special Edition Hardcover, but it’ll also include vol. 7: Spinster so that it’ll sort of be like a launch day for vol. 7, too. A third special thing that’ll be in the Kickstarter is Special Edition Paperbacks of all the books in the series. They won’t be available in stores, just in the Kickstarter (and later, from my website, and also in my Patreon book box tiers if I decide to do them). The Kickstarter is not live yet, but you can follow it to be alerted when it has launched. (You may need to create a free Kickstarter account.) Follow Camy’s Kickstarter

ひとり寿司第14章パート1




「ひとり寿司」をブログに連載します!


ひとり寿司



寿司シリーズの第一作

キャミー・タング

西島美幸 訳

スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。

ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。

そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。

エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。

レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——

過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。

***


14



「もっと低く!」レックスは手を叩いて、女子中学生にドリル(反復練習)のペースを上げさせた。

さっさとコンドミニアムを探さなくては。どこか安いところを。

「もっと!」中途半端にかがんでいる中二の女子を指さした。その子は膝を曲げ、さらに深く腰をかがめて、次のコーンへとダッシュした。

急がなきゃ。父の家はすぐに売れるだろう。しかしこの住宅難の中、たった二、三週間で予算に合ったコンドミニアムを見つけることが出来るのだろうか?

「ちょっと、後ろの子たちのために、ずれてあげて!」レックスは、最後のコーンで息を切らして立っている女の子に合図した。その子がずれると、次の子がコーンに向かってかがんでダッシュ、そして立つ。まだ呼吸が荒い。

自分からSPZでの仕事を蹴った今、もっと頑張ってエンジニアの仕事を探さなくては。今朝のクレイグズ・リストの求人情報は、励みにならなかった。

「ジャンプするときは膝曲げて!」レックスはドリルのラインに入り、ブロックに入る前の深いスクワットをやって見せた。そして、かがんで、次のコーンへダッシュ。「のろま!」レックスは立って、また手を叩いた。

すでに無職で、もうすぐホームレス。ボーイフレンドどころか、チームのスポンサーを探す時間などあるのだろうか?

「今日は結構タフなんじゃない?」アシスタントコーチのヴィンスが体を寄せてきて、女の子達に聞こえないように低くささやいた。

近すぎるので、レックスは少し離れたが、彼の言葉を受け入れてため息をついた。そうだ、自分の不満をチームに投影させているのかもしれない。力を抜かなくては——

それは、レックスが見ているときに起こった。それを阻止しようと動くと、筋肉を走る脈を感じた。一番手のヒッターであるキャシーがブロックの動きへと飛び上がるのと同時に、別の女子がキャシーのいるコーンに向かってダッシュしてきた。キャシーは着地し、その足はもう一方の女子のスニーカーの上でふらついた。不快な「バリッ、ポン」という音が、小さいジムの中で響いた。

その音を聞いて、ハンマーで打たれたような吐き気が、レックスの内臓を襲った。そのために、キャシーの方へ急ごうとする歩みが遅くなった。見たくなかった。足首が変な角度にねじれていたらどうしよう? 出血していたら……?

レックスは、深く荒い息を吸い、あご、首、肩を緊張させた。キャシーの横に腰を下ろし、周りに集まってきた女子らを追い払った。

キャシーは泣きじゃくっている。膝はまだ腫れていないが、すぐグレープフルーツのような大きさになるだろう。腫れが足に降りてくる前に、靴を脱がさなくては。

「ちょっと痛いわよ、キャシー」レックスは靴紐を緩め、かかとをつかんで足を固定させ、スニーカーを緩めようとした。

「痛いっ! やめて——!」

レックスは動きを緩めたが、やめなかった。キャシーは泣き叫んでいる。靴はやっと地面に落ちた。

レックスは自分の心配を隠そうとした。キャシーは普段、痛いと言わない——何も言わずに床へ飛び込む子だった。今回は、とてもまずい。

「救急へ連れて行こう。私が運転する」もしかしたら、ただの捻挫かもしれない。キャシーのスキルを持つ選手をもう一人失えば、夏のプレイオフでは手も足も出ないだろう。

「僕が運ぶよ」ヴィンスが入ってきて、隣でしゃがんだ。「腕を両方とも僕の首に……そうそう。よっこらしょっ、と!」

レックスはキャシーのバッグと用具一式を取りに走った。携帯が鳴った。「もしもし?」ジムバッグを肩にかけながら話し出した。

「アレクシス・坂井さんですか?」かすかに聞き覚えのある女性の声だ。

「そうです」レックスはヴィンスの後ろをついて行った。

「SPZ人事部のウェンディ・トランです」

不採用通知のために電話をかけてくれるのか? まあEメールよりは親切だ。

「レックス、練習はどうなるの?」女子の一人が彼女のシャツを引っ張った。

「ヴィンスは行かない。私だけよ。ドリルを終わらせて」

その子はブツブツ言いながらも、他の選手に伝えるために戻っていった。

「坂井さん?」

「ごめんなさい……」何と言う名前の女性だったか? 「ご用件は?」レックスは車の鍵を手探りし、ヴィンスとキャシーに追いつこうと急いだ。

「SPZの『大学部門』で採用が決まりました。よかったですね」

「……(ええっ?)」

その瞬間、ヴィンスが歩道の縁石でつまずき、キャシーは彼の首から手を離した。ヴィンスが片足でよろめいている間に、彼女は地面に転がった。

「きゃあ、大変!」レックスはキャシーの方へ走った。

「喜んでくださっているようで、私も嬉しいです」SPZ人事部の女性本人も、喜んでいるようだ。

「痛いっ、イタ、タ、タッ!」キャシーは足首をつかみ、前後に揺れている。

「ちょっと持ち上げてて」レックスは、足が地面につかないように、キャシーの太ももの下に手を入れた。

「もしもし?」人事の女性が尋ねた。

「『大学部門』っておっしゃいました?——キャシー、足首を圧迫しないようにして——『大学部門』には応募してませんけど」

「そうなんですか? あなたの応募書類がここにあるんですが……。取締役からの採用通知も」

「ごめん」ヴィンスが、キャシーのそばで膝をついた。「もう一回やるよ」

「絶対嫌よ!」キャシーは後ろに下がろうとしたが、かかとが地面に当たり、顔をしかめた。「また落とされるのはイヤ」

あの女性の名前は何だったっけ? レックスは記憶力が良くない。「私の応募書類を渡したのは誰ですか? キャシー、今度は落とさないから」

「落とすわ!」

「部長のラッセル・デイビスから直接もらったんですが」

「分かった? キャシー、一、二、三、持ち上げて!」レックスは電話をもっと耳の近くに持ち直した。「ラッセル? スタンフォード・インディアンのブリーフケースの人ですか?」

「そう、その彼です」

わあ。スカートはパインソル(液体洗剤)びたし、ブラウスにはコーヒーのシミ、手には何だか訳の分からないものがついていた、あの時。「どんなポジションですか? 受付かしら? ヴィンス、ここに載せてあげて」

「ご存じないんですか? 同窓会リエゾン(連絡窓口)ですよ」

「なるほど」これ以上、無能なように思われたくなかったので、思慮深く知性があるような調子で言った。少なくともそう聞こえることを願った。

「明日、採用通知が届くと思います。月曜日から出社できますか?」

「もちろんです!」何の迷いもなく答え、運転席に乗り込んだ。

「良かったです。では、八時にフロントデスクに来てください。あとは、その時に話しましょう」

***

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