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Lady Wynwood #7 early release Kickstarter

I worked on my first Kickstarter and it got approved! It’s for the Special Edition Hardcover of Lady Wynwood’s Spies, volume 1: Archer and the release of Lady Wynwood’s Spies, volume 7: Spinster. I contacted my graphic designer about the Special Edition Hardcover of vol. 1: Archer—it’s going to be SO beautiful! The Kickstarter focuses on the Special Edition Hardcover, but it’ll also include vol. 7: Spinster so that it’ll sort of be like a launch day for vol. 7, too. A third special thing that’ll be in the Kickstarter is Special Edition Paperbacks of all the books in the series. They won’t be available in stores, just in the Kickstarter (and later, from my website, and also in my Patreon book box tiers if I decide to do them). The Kickstarter is not live yet, but you can follow it to be alerted when it has launched. (You may need to create a free Kickstarter account.) Follow Camy’s Kickstarter

ひとり寿司第23章パート1




「ひとり寿司」をブログに連載します!


ひとり寿司



寿司シリーズの第一作

キャミー・タング

西島美幸 訳

スポーツ狂のレックス・坂井 —— いとこのマリコが数ヶ月後に結婚することにより、「いとこの中で一番年上の独身女性」という内輪の肩書を「勝ち取る」ことについては、あまり気にしていない。コントロールフリークの祖母を無視するのは容易だ —— しかし、祖母は最終通告を出した —— マリコの結婚式までにデート相手を見つけなければ、無慈悲な祖母は、レックスがコーチをしている女子バレーボールチームへの資金供給を切ると言う。

ダグアウトにいる選手全員とデートに出かけるほど絶望的なわけではない。レックスは、バイブルスタディで読んだ「エペソの手紙」をもとに「最高の男性」の条件の厳しいリストを作った。バレーボールではいつも勝つ —— ゲームを有利に進めれば、必ず成功するはずだ。

そのとき兄は、クリスチャンではなく、アスリートでもなく、一見何の魅力もないエイデンを彼女に引き合わせる。

エイデンは、クリスチャンではないという理由で離れていったトリッシュという女の子から受けた痛手から立ち直ろうとしている。そして、レックスが(1)彼に全く興味がないこと、(2)クリスチャンであること、(3)トリッシュのいとこであることを知る。あの狂った家族とまた付き合うのはごめんだ。まして、偽善的なクリスチャンの女の子など、お断り。彼はマゾヒストじゃない。

レックスは時間がなくなってきた。いくら頑張っても、いい人は現れない。それに、どこへ行ってもエイデンに遭遇する。あのリストはどんどん長くなっていくばかり ——

過去に掲載済みのストーリーのリンクはこちらです。

***


23



祈ることができなかった。

レックスはベッドの中にうずくまり、時計をじっと見た。手術は明日——少し眠らなくては。そうすれば、手術室の看護師に言われた、「深夜以降に水を飲んではいけない」という決まりを守らずに、冷蔵庫のウォーターボトルを一気飲みしたいという誘惑からも解放される。

コンドミニアムに引っ越してから一週間が過ぎた今でも、レックスはネズミの音に耳をそばだてていた。その後、あのネズミは出てこなかったが、それでもベッドの周りにわなを仕掛けた。

静かなワンルームは、祈りが届かないほど壁が厚い鳥かごのようだ。神様は、レックスの祈りを聞いているのだろうか?

(本当に、あなたに怒ってるんですよ。もちろん、もうご存知ですよね)

聖書を読むべきなのかもしれない。だけど……まだ開けていない段ボール箱の中に入っている。それに、どこから読むべきなのか、見当もつかなかった。不運な自分のことだから、どうせ「ユダはアリストテレスをもうけ、とかなんとか」いう箇所を開くのがオチだろう。下手をすると、血にまみれた野蛮な戦争の箇所かもしれない。

母が亡くなった時と同じように、見捨てられた気分だった。化学療法のために具合が悪くなり、結局、効果は何もなかった。母はレックスの手を握りながら、自宅で亡くなったのだ。自分の最期のために着飾って。

レックスは身震いした。膝の手術を受ける前夜に母の死を思い出したのは、あまり賢明ではなかったかもしれない。

強くならなくては。自分が持っているもの——それを考えるべきだ。手術後は、ビーナスが面倒を見てくれる。最後の最後に一階のコンドミニアムの部屋を見つけ、ネズミは戻ってきていない。外科医の腕は素晴らしい——オークランド・レイダーズ(フットボールチーム)の顧問医だ。

(だから、早く寝て、明日手術を受けよう)

レックスは横になり、コンドミニアムの静けさに耳をすました。

眠れない。お水のことに取りつかれていた。

**********


「大丈夫だって」ビーナスは、また彼女を優しく説得した。「台の上で、死んだみたいに深い眠りに落ちるの」

「その『死ぬ』って言葉、使わないでくれる?」

レックスは、手術センターの待合室にある、座り心地の悪い椅子の上でモゾモゾした。それほど座り心地が悪い訳でもなかったのだが、ただそこに座っていたくなかった。特に、湖を飲み干して、馬を食べ尽くしたいと思っている時には。

待合室の反対側のドアが開き、カラフルなキャラクター入りのスクラブ(手術着)を着た看護師が彼女に笑いかけていた。「レックス・坂井さん?」

重い足取りで、手術センターの中央エリアに入るドアを通った。看護師はレックスをトイレまで案内した。そこには、ガウン、トレッドゴムがついた靴下、キャップ、洋服用のバッグ、そして椅子の上に採尿カップがあった。

レックスはそのカップを取り上げた。「昨日から何も飲んでません」少し不機嫌な言い方になってしまった。

看護師は、ベンティ・サイズ(スタバの最大サイズ)の忍耐を持ち合わせていた。「出なくてもいいですから、とにかくやってみてください。それから、下着以外はすべて着替えてくださいね」と言って、ドアを閉めた。

少なくともこのトイレには椅子があった。レックスは足の装具を外し、服を脱いだ。そして、冷たいタイルの部屋で身震いした。靴下は暖かいが、ガウンは前が開いてた(後ろが開いていないだけマシだ)。カップの中に、何とか数滴したたらせ、「採尿カップ」と書かれた巨大なサインが貼ってある棚にのせた。

ああ、喉が渇いた。冷たい水滴がしたたり、底に水たまりができるほど冷たい水が入った、大きいグラスで水を飲みたい。

彼女は泣き言を言っていた。

レックスがトイレを出ると、壁にもたれて待っていた看護師は、彼女の背中を軽くたたいた。看護師のしぐさは彼女を安心させるためだったのだが、レックスはピクッとして離れた。

看護師は、リクライニングチェアが二台置かれた小さい部屋へレックスを案内した。カーテンで仕切られていて、それぞれの側にテレビがある。ビーナスは中に入って立ったまま、浅黒いアジア系の男性と話していた。その男性は、変な装置の使い方を実演しているようだ。レックスを見て、自分のことをアランだと自己紹介した。

「これが連続受動運動(CPM)マシーンです。手術の後、これをベッドの上に置いて、足をクレードルに入れてください——」彼は、柔らかい人工羊革を敷いたメタルのクレードルを指さした。「——マシーンの電源を入れると、とてもゆっくりと足を曲げたり伸ばしたりしてくれます。最初は本当に少しずつ。二週間かけて、その角度を増やしていくんですよ」

「家に帰ってからどうやって設置するかは、アランが教えてくれたから」ビーナスは、アランに気のあるふりをするとか、彼と仲が良さそうに見えるとかいうことは全くなかったが、彼女がとてもリラックスして男性の近くにいるのを、レックスは何年も見ていなかった。きっと彼は、彼女のゴージャスな顔と、欲望をかき立てられるような姿を嫌らしい目つきで見ないという礼儀をわきまえた数少ない人のうちの一人なのだろう。

看護師がレックスをリクライニングチェアに座らせ、温めた毛布をかけてくれた。温かい。完璧な温度。肌もあらわなガウンなど、もうどうでもよくなった。

「このマーカーで、手術をする方の足に『イエス』、しない方の足に『ノー』と書いてもらえますか」

ちょっと待って、何か変じゃないか。「違う足を開いちゃうことがあるんですか?」レックスの声は、最後の方がかすれていた。

看護師は少し顔をしかめた。「いいえ、パニックにならないで。足は切り開きません。関節鏡視下手術ですから、膝に小さい穴を三つ開けるだけです」

「小さい穴を三つ開けるだけで、治してもらえるんですか?」まだ声がかすれている。

「そうです、最善の手術ですよ。安心してください」看護師はレックスの肩に手を置いた。レックスは飛び上がった。

別の看護師が加わり、点滴が始まった(わあっ、水だ!)。そして、ありとあらゆるバイ菌を殺しそうなネオンオレンジ色のソープで、怪我をしている方の足をゴシゴシこすった。

看護師たちは出ていき、ビーナスはレックスの隣の椅子に座った。

突然、ツーバイフォーの板で頭を叩かれたように、これから起ころうとしていることの重大さがレックスを襲った。意識がなくなる。そして、二度と起きないかもしれない。

胃の中で波が打ち始めた。温かい毛布に置いた手は震え始めた。乾いた唇をなめ、喉の奥につっかえている毛玉のようなものを呑み込んだ。

トイレに行きたい。毛布の温かさのために、さらにトイレが近くなった。

「ビーナス、看護師を呼んでくれる」

「どうしたの?」ビーナスはテレビから目を離した。

「トイレに行ってもいいか、聞きたいの」

「もちろんいいですよ」ビーナスが説明したら、看護師は甲高い声で言った。「点滴のバッグは、そのまま持っていってください。トイレの隣にフックがありますから」

レックスが松葉杖をつかんでトイレに飛び跳ねていく間、ビーナスは点滴のバッグを持ってあげないといけなかった。トイレに座っている間は、点滴のチューブが邪魔になった。

リクライニングチェアに戻ると、少し気分が良くなったが、お腹の中はまだ波打っていた。

***

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